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人工呼吸器装着など必要な「医療ケア児」支援員不足…市区町村の1割だけ配置

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人工呼吸器装着など必要な「医療ケア児」支援員不足…市区町村の1割だけ配置

 日常生活で人工呼吸器の装着やたんの吸引などが必要な医療的ケア児を支援するコーディネーターを配置している市区町村は、全国で約1割にとどまることが3日、厚生労働省の調査でわかった。自治体の財政状況が厳しいためで、同省は来年度、人件費などを最大で半分補助する方針だ。

 医療的ケア児は、難病などのため、医療行為を伴うケアを受けながら自宅で生活する子どもで、推計約1万8300人(2016年)。支援にかかわる機関が医療、保健、福祉など幅広く、ケア児と家族からは相談先が分かりにくいなどの指摘がある。

 16年の児童福祉法改正で、ケア児の支援は自治体の努力義務となった。同省は、ケア児や家族の相談に乗って関係機関の担当窓口を紹介したり、支援を調整したりするコーディネーターを積極的に配置するよう求めてきた。さらに今年度から自治体ごとに支援体制の整備計画を作るよう指導しており、8月に初めて配置状況を調査した。

 その結果、コーディネーターがいたのは、全国の市区町村1741のうち、202。兼務や非常勤などを含め、人数は計341人だった。配置済みの市区町村の割合は都道府県によって大きな差があり、愛知50%、愛媛45%などが高かった。一方、岩手、和歌山、佐賀など10県はコーディネーターがいなかった。

 同省によると、コーディネーターは医療や福祉、教育などの分野で幅広い知識が必要で、都道府県などが行う専門の研修(28時間)を終えていることが望ましい。しかし、341人のうち、受講した人の割合は38%だった。同省は、ケア児が多い自治体を中心に、研修経費やコーディネーターの人件費にあてる費用などを補助し、支援体制を拡充していく。

          ◇

【医療的ケア児】  退院後も自宅で人工呼吸器や管を使った栄養補給、たんの吸引など医療的なケアが日常的に必要な障害児。医療の進歩で救える命が増えたことを背景に、2016年の推定人数は10年前の1.8倍に増加した。

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