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靴選び 成長に合わせた配慮
足に合うサイズ・構造 安全重視して
子どもの成長に応じて、靴の買い替えが必要となる。サイズの合わない靴を履いていると、足の発達や健康に悪影響を与える恐れもある。子どもの靴の選び方についての注意点をまとめた。
東京都港区の女性会社員(39)は、定期的に都内の子ども靴専門店を訪れ、長女(5)の靴を買い替えている。「なるべく子どもの足に合ったものを履かせたい」と話す。
サイズが合わない靴を履いていると、どんなトラブルが起きうるのだろうか。子どもの靴と健康について研究する「日独小児靴学研究会」(京都市)共同代表で、「靴外来」を開設する「塩之谷整形外科」(愛知県豊橋市)の塩之谷香院長は「足のトラブルを抱えて来院するお子さんの場合、靴に何らかの問題があるケースがほとんど」と指摘する。
■合わない靴で足に問題
小さすぎる靴を履いていると、爪先が圧迫されてしまう。「子どもの足は 靱帯 や骨格が未完成です。成長段階で圧迫されると指が曲がった状態になるため、変形の原因になる可能性があります」。一方、ブカブカだと、靴の中で足が固定されずに動いてしまう。「歩き方や歩く姿勢に影響し、足全体の疲労につながる。足を保護するという役目を果たせず、脱げてケガをすることもあります。サイズが合っていても、ひもを結ばず、足をスポンと入れるだけの履き方だと、足が固定されません」と塩之谷院長は説明する。
傷んだ靴を履き続けることにも気を付けたい。塩之谷院長は「きちんと履かずに靴のかかと部分を踏んでしまってつぶれている靴や、靴底がすり減ってしまった靴は傾きやすく、足首の関節に負担がかかってしまうこともあります」と話す。
■専門家の助言受け購入
子どもの成長に応じたサイズ選びはどうしたらいいか。子ども靴専門のシューフィッターの資格を持つ、子ども靴専門店「アンファン・ドゥ・アルカ恵比寿店」(東京都)の天笠亜衣子さんは「できればシューフィッターのいる店舗で足のサイズを計測してもらった上で選ぶのが望ましい」と指摘する。店頭で子どもに実際に履かせて確認することが大切だという。「かかとを合わせて、爪先に10~12ミリ程度の余裕があるのが適切なサイズの目安です」
サイズ表示が同じでも、メーカーによって大きさがやや異なることがあり、注意したい。メーカーによっては、インソール(中敷き)に適切な爪先の位置を表示した靴もある。
かかと部分が固く、指の付け根部分が曲がりやすいものを選びたい。靴の形状は、「関節を守るため、くるぶしまで覆うハイカットのデザインを薦めています」と天笠さん。足の甲などに隙間ができにくいひも靴が理想的だが、日本では靴を脱ぎ履きする機会も多いため、面ファスナー式の商品も便利だ。ベルトを輪に通してとめる折り返し式だと足にフィットしやすいという。「子ども用でもヒールの高いオシャレな靴もあるが、転ぶ危険もある。デザインよりも安全重視で選んで」
靴の買い替えについて、塩之谷院長は「小学生なら、少なくとも各学期が始まるタイミングでサイズを見直すと良いでしょう」と話す。「子どもは靴のサイズが合っていなかったり、痛みがあったりしても、声を上げないことがあるので大人が目配りをすることが必要です。足に合った靴をきちんと履くということを心がけてください」
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