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保活のイロハ(2)入園先の候補、見学しよう
子どもが通う保育施設や幼稚園を決める際には、施設を見学するよう、専門家は勧める。雰囲気や環境面などを確認できるからだ。見学の際に見ておくべきポイントを押さえておきたい。
候補を絞る
保育園事情に詳しい、「保育園を考える親の会」代表の 普光院 亜紀さんは、「利用を検討中の施設はぜひ見学してほしい。特徴の違いが分かるので、できれば複数の施設に行った方がいい」と語る。
まずは、利用する保育施設や幼稚園の候補を決める。主な条件は、〈1〉自宅から通えるか〈2〉受け入れ年齢や月齢〈3〉開園時間――の三つ。自転車で通う場合は、悪天候でも徒歩や公共交通を利用して通えるかどうかを考える。
候補が決まったら、見学の予約を。普光院さんは「快く見学をさせてくれるか、普段の保育の様子を見せてくれるかは、公開できる保育をしているかどうかの判断材料になる。見学に消極的な施設は、候補から外した方がいい」と力を込める。
なるべく夫婦で行く。利用施設を決める際、家庭で話し合いがしやすい。
見学では、「保育の様子」「職員体制」「食事」「施設環境」をチェックして、申込先を決める参考にしよう。
保育の様子は、保育士や幼稚園教諭らの子どもへの言葉がけや対応が優しく丁寧か、子どもたちが生き生きとしているかなどを見る。職員の数は子どもの安全や健康に直結するため、「クラスの子どもと担任はそれぞれ何人ですか」などと質問するといい。給食がある場合は献立内容なども知っておきたい。
保育室の中も見せてもらう。掃除が行き届いているかなどの衛生面、日当たりや風通しの良さなどを確認。活動できる十分な広さがあるか、静かに眠れる環境かも見ておこう。
地域の親子向けに園庭を開放している施設もあるので、参加するのも手だ。園庭がない場合は、散歩の頻度や行き先を尋ねてみよう。
英語や体操などの講座を設ける施設が増えている。保護者はそうしたカリキュラムに魅力を感じやすいが、普光院さんは「子どもたちは遊びの中からも様々なことを学ぶ。子どもの発想でのびのびと夢中で遊べる環境も大切」と話す。
また、保育料は、認可施設の場合、自治体が各家庭の所得などに応じて定めているが、直接契約する幼稚園や認可外保育施設は施設ごとに違う。確認しよう。
昼寝時の態勢
安全対策の確認も重要だ。保育問題に詳しい、ジャーナリストの猪熊弘子さんは「昼寝中の見守り態勢についても必ず質問しましょう」と助言する。
保育施設の死亡事故は睡眠中が最も多い。うつぶせ寝は、SIDS(乳幼児突然死症候群)につながる恐れがあり、国のガイドラインは、あおむけで寝かせるよう求めている。
万が一、災害が起きた際の連絡手段なども聞いておくと安心だ。
猪熊さんは「幼稚園や保育施設は、子どもが毎日過ごし、成長する場所。保護者には、子育てを支えてもらうパートナーを探す気持ちで利用する施設を選んでほしい」と語る。
このほか、気になることは施設側に質問しよう。あらかじめ自宅で質問内容をノートなどに書き留め、持参するといい。
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