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保活のイロハ(1)子の預け先、選択肢広げる…「認可」以外も充実 働き方見直して

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 来年4月に向け、認可保育施設の入園を申し込む時期が近付いてきた。待機児童数が今年4月に4年ぶりに減ったが、子どもの預け先が決まるか、不安になる親は多い。預け先にはどんな施設があるか、希望する施設を決める前に調べておきたいポイントなど、最新の保活事情を専門家に聞いた。

新たな受け皿

 恵泉女学園大学学長の大日向雅美さん(発達心理学)は、「保活をするお母さんは、0歳から5歳まで通える『フルスペック』の認可保育所へのこだわりが強いようです。都市部ではまだ待機児童が多く、預け先を選べるという実感はないかもしれませんが、視野を広げてみれば、別の可能性も生まれます」と指摘する。

 かつては、「専業主婦家庭の子は幼稚園、共働きの子は保育所」とイメージしがちで、保育所と言えば認可保育所のことを指した。しかし、2015年度に新しい制度が始まり、待機児童の多い0~2歳児の受け皿も整備されて通える施設に新たな形ができてきた。

 保育利用する共働き家庭の子と、主に専業主婦家庭の教育利用の子が一緒に通う「認定こども園」が増え、家庭などで5人まで預かる「家庭的保育」や、「小規模保育」など少人数のものも認可施設に位置付けられた。夕方まで「預かり保育」を行う幼稚園も増え、勤務時間や通勤時間によっては選択肢になる。

保活のイロハ(1)子の預け先、選択肢広げる…「認可」以外も充実 働き方見直して

「通勤で使う駅はどこですか?」と確認しながらアドバイスする「保育・教育コンシェルジュ」の河原さん(横浜市神奈川区で)

 「育児休業から復職したら、出産前と同じように働かなければ」「でも、そんな働き方だと保育時間の短い施設は選べない」――。そう考えていると、認可保育所以外に目が行かなくなってしまう。何を考慮すれば、選択肢を広げられるのだろう。

 横浜市神奈川区役所の「保育・教育コンシェルジュ」として保護者の相談に乗っている河原恭子さんは、「復職後はどう働きたいか、サポートしてくれる祖父母らはいるか、どんな環境で育てたいか。こうした点が考える際のポイントです」と話す。

 例えば、2歳くらいまでは通勤に利用する駅から近い少人数の小規模保育などを選び、3歳以降は預かり保育のある幼稚園に通う。

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 迎えが間に合わない時でも、職場の短時間勤務制度などを利用し、迎えに間に合うよう、働き方を見直す方法もある。地域で子育てを支える「子育てサポートシステム」(地域によってはファミリー・サポート・センター)など、別のサービスを組み合わせれば、祖父母がいなくても対応できる。

 子どもが過ごす環境については、園庭や遊具がある施設を希望しているなら、認定こども園や預かり保育のある幼稚園なども選択肢に入る。

保育窓口でまず相談

 預け先の選択肢が増えたことで、問い合わせや申込先も複数になる。

 認可保育施設は自治体の保育担当だが、私立幼稚園はそれぞれの園に申し込む。東京都の認証保育所、横浜市の横浜保育室など自治体が独自に認定している保育施設を含め、認可外保育施設も各施設への申し込み。企業などが主に従業員向けに設置する「企業主導型保育」も、地域の人が利用可能な場合は、各施設と保護者が直接契約する形だ。

 河原さんは、「まずは自治体の保育を担当する窓口で相談してみてください。話しながら、仕事と子育てについて考えも整理できるといいですね」と勧めている。

申し込みスケジュール確認

 来年4月入園に向けたスケジュールを確認しよう。

申し込みスケジュール確認

◆認可保育施設
 申し込みは、各自治体で10月頃から用紙が配布され、受け付けが始まる。

 その際、就労証明書のほか、場合によっては、住民税の課税証明書などの書類も必要になる。不備があると何度も役所に足を運ばなければならないため、書き方の手引によく目を通すようにしよう。

 自治体で利用調整を行い、入園する子どもを決める。「両親がフルタイムで勤務している」「2歳まで認可外保育施設を利用し、卒園して認可施設への入園を希望する」「きょうだいが施設を利用していて、同じ施設の利用を希望する」などの場合は、優先されることもある。基準を公表している自治体も多いので確認してみよう。

 おおむね1月下旬から2月上旬までに1次調整の結果が通知され、そこで入園が決まらなかった場合は、2次調整に申し込んだり、認可外施設と利用契約を結んだりする。

◆認可外保育施設
 随時申し込みが可能で、妊娠中から受け付けてもらえる施設もある。見学したうえで複数の施設に申し込んでおくこともできるが、「申込金」を求められる場合もある。

◆幼稚園
 9~10月に願書の配布が始まることが多い。事前に見学したり、説明会に参加したりしていないと申し込めない場合もあるので確認を。10~11月に出願し、その後、面談などを経て入園が決まる。

◆認定こども園
 保育利用は、ほかの認可施設と同じ用紙に希望園を記入して自治体に申し込む。調整の結果、入園が決まる。教育利用は幼稚園と同じで各園で願書を受け取り、直接、申し込む。

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