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医療・健康・介護のコラム

第3部[変わる社会]「兆し」から成熟の時代へ

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[インタビュー]少子化ジャーナリスト・白河桃子さん

 

第3部[変わる社会]「兆し」から成熟の時代へ

岩佐譲撮影

 昔なら親が近くにいる女性しか育児と仕事を両立できなかった。その後、育休や時短勤務制度の整備、保育所の設置などが一定程度進み、従業員向けの保育所をつくる企業や預かり時間を延ばす幼稚園も増え、実家に頼れなくても共働きができる時代を迎えました。

 世の中にも様々な変化が表れ、共働き層の多様なニーズを満たすようなサービスが生まれています。家事時間を短縮できる家電のほかにも、家事代行や学校、塾に通う子どもの送迎代行、英会話や水泳など習い事もできる学童保育もあります。食材とレシピが届き、簡単に食事がつくれる宅配サービスは、共働きに限らず主婦や高齢者にも役立っています。

 政府も共働き家庭が抱える課題を放っておけなくなった。人手不足も相まって、働き方改革の波が押し寄せ、労働市場も変容しています。

 とりわけ出産で離職した女性に戻ってもらおうと、週3日勤務の正社員など雇用形態が多様化しています。フルタイムや正社員だけが正解じゃないという考えが広がり、起業やフリーランスで働く女性も少しずつ増えています。

 変化は男性を取り巻く環境でも見られます。銀行業界は男性の育休取得率の高さを競うようになった。それが男子学生の人気を集め、採用力を高める要素となったからです。ベビーカーや抱っこひもなどの育児用品で男性を意識した仕様やデザインが一般化したのも一つの表れです。

 ただ、いずれの変化も「兆し」のレベルに過ぎません。第1子を産んだ後に働き続ける女性の割合が5割を超えましたが、その先の活躍となると難しい状況にあります。

 原因は女性の意識の低さにあるのではなく、男性の働き方がそのままだから。女性だけが家事育児をした上に働き、自由に時間が使える男性と競うよう求めることに無理がある。女性が仕事と家庭を両立しやすい職場ではなく、男女ともに共働きがしやすい職場を構築していかなければなりません。

 「共働きは大変」というイメージが広がっていますが、実際のライフスタイルは多種多様。キラキラと輝くロールモデル的存在もいれば、活躍なんてしなくていいという考えの女性だっているでしょう。

 夫婦ともに仕事を持ち、子どもが小さいうちは手いっぱいな家庭も多い。でも、子育ての苦労や楽しさを、地域の人ともっと共有してほしい。共働き社会を成熟させていくには、様々な共働きの姿があることを伝えていくことも必要です。

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 〒530・8551読売新聞大阪本社生活教育部「共に働く」係へ。ファクス(06・6365・7521)、メール(seikatsu@yomiuri.com)でも受け付けます。ツイッターは https://twitter.com/o_yomi_life_edu

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tomonihataraku-500

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結婚、出産後も働き続ける女性が増える一方、育児との両立の難しさやキャリアアップを描きにくい現状はあまり変わりません。女性が真に活躍するために何が求められているのか。現代の「共働き事情」を描きます。

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