文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

五味院長の「スッキリ!体臭で悩まなくなる話」

yomiDr.記事アーカイブ

「ティートリーでワキ湿布」「ペパーミントで発汗抑制」…ハーブで楽しくニオイケア

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

皮膚を守る桃の葉やペパーミント

 二つ目は、皮膚の炎症を抑え、皮膚を修復する作用です。

 例えば、頭のニオイを気にする人が過剰に髪を洗い過ぎると、皮膚を守る皮脂が失われて慢性の炎症状態になってしまいます。雑菌が繁殖しやすい状態です。このようにダメージを受けた皮膚の修復を助けるのが、「ペパーミント」「セージ」「タイム」などのハーブです。

 専門家に教われば、これらのハーブを使ってシャンプーやリンスを自作することもできます。夏の暑い日にペパーミントで首回りや胸、腕を湿布すると、消臭作用だけでなく、冷却作用もあるため清涼感を得られます。過剰な発汗が抑えられ、ワキ汗対策としても有効です。「桃の葉」や「ローズマリー」は、肌を引き締めるスキンケア効果があり、汗による湿疹( (あせ)() )の予防にも効果があります。

心を癒やすカモミール、ラベンダー

id=20180919-027-OYTEI50002,rev=2,headline=false,link=true,float=right,lineFeed=true

 三つ目が、心への作用です。香りは嗅覚を通じ、記憶や感情にかかわる脳の大脳辺縁系に働きかけ、心の奥底から癒やしてくれます。ニオイや汗で悩む人は、真面目で責任感が強く、周囲を気遣う繊細な心をもった人です。その分、心が傷つきやすく、気配りのための緊張が精神性発汗やストレス性の体臭につながります。

 人は、緊張すると交感神経が優位になります。これに対し、ハーブの香りは副交感神経に働きかけるため、気持ちをやわらげてくれます。心身の鎮静作用のあるハーブには、「ラベンダー」「カモミール」などがあります。フレッシュでもドライでも、お茶にして飲むことができます。また、精油をティッシュやハンカチに垂らして枕元やデスク上に置いたり、ネットに入れてバスタブに浮かべて沐浴したりしても、心が落ち着きます。

専門家のアドバイスを聞いて安全に

 このようにハーブを利用すれば、日々の生活の中で香りを楽しみながら、ニオイケアをすることができます。

 しかし、ハーブにはさまざまな種類と使い方があり、精油などは使い方を間違えると、効果がないばかりか、体に悪影響を及ぼすこともあり得ます。安全で効果的に使用するために、ハーブの専門家に相談してみるとよいでしょう。(五味常明 五味クリニック院長)

2 / 2

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

gomi-200px

五味常明(ごみ・つねあき)

1949年、長野県生まれ。一橋大学商学部、昭和大学医学部卒。昭和大で形成外科、多摩病院で精神科に携わった後、体臭・多汗研究所を設立。現在は、 五味クリニック 院長として、東京と大阪で診療する傍ら、流通経済大スポーツ健康科学部の客員教授も務めている。

五味院長の「スッキリ!体臭で悩まなくなる話」の一覧を見る

最新記事