認知症介護あるある~岡崎家の場合~
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審議重ね、意を決して出発…認知症の父さんとの外食は大事業?
食への情熱がパワーアップ
このコラムをいつもお読みになってくださっている方には、我が家の父さんは食べ物に対する並々ならぬ情熱があり、それが認知症になってよりパワーアップしていることがお分かりだと思います。
そんな父さんだからこそ、私たちにとって悩ましい問題がありました。それは「父さんとの外食」。元気なころの父さんは、外食が大好きでした(そんな生活がたたり、生活習慣病が原因といえる脳血管性認知症になり、今に至るのかもしれませんが……)。そのため認知症になっても、外食することをよく提案するのです。
難題あるけど、希望かなえたい
ところが母さんは、それをとても嫌がります。理由は、豪快に見えて実はガラスの心臓の持ち主という、非常に面倒くさい!?母さんの性格からして、お店での父さんの行動が気になってしょうがないから。
認知症という病気なのだから仕方ないと私は思うのですが、人の目を気にしがちな母さんは、料理をボロボロこぼしたり、食事に集中するあまり、ときには素手で食べ始めてしまう父さんと一緒に外で食事をすることに、かなりの抵抗があると言います。
母さんの気持ちもわかります。たとえば、同じぐらいの年齢のご夫婦が楽しそうに隣で食事をしていたりしたら、お店で知り合いに会ってしまったら……。夫婦だからこそ、思うことがいろいろとあるのだと思います。
でも、私は父さんの生きるモチベーションになっている「おいしいものを食べる」という希望もかなえてあげたいという気持ちもあります。こんな家族の葛藤も「認知症あるある」なのかもしれません。
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