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心療眼科医・若倉雅登のひとりごと

コラム

向精神薬による目の異常「ベンゾジアゼピン眼症」の提唱

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早めに薬物から離脱できれば改善、完治も期待

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 私たちは、このような感覚症状があり、ベンゾジアゼピン系薬物を常用している場合をこの論文で「ベンゾジアゼピン眼症」と呼ぶことを提案しました。これは、おそらく眼瞼けいれんの予備軍ですが、その時点で薬物の離脱がうまくできれば、かなりの程度改善し、場合によっては完治も期待できます。

 もし、眩しい、ぼやけるなど見え方の異常を感じた時、睡眠導入剤などを使っていないか考えてみてください。処方している医師は、関連に気づかないか、気づいても軽く見るかもしれませんので、神経眼科医など理解してもらえる医師を探して相談してください。

 以前、「朝起きた時、視界が白っぽくぼやけることがある」と訴える50歳代の女性患者さんを診察しました。目には異常は見つかりませんでしたが、睡眠導入剤を常用していたことから、「週に何回か使わない日を設けて、翌朝の見え方を比べてみてください」と助言しました。

 次の来院で彼女は、「先生、おっしゃるとおり、あの見え方は睡眠導入剤のせいでした。そう気づいたので、以来ほとんど使っていません」と笑顔で話しました。

 その後も似た経験をした方を何人か診察し、「ベンゾジアゼピン眼症」の存在に、一層自信を持ち、今回の研究成果につながりました。

 (若倉雅登 井上眼科病院名誉院長)

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201505_第4回「読売医療サロン」_若倉

若倉雅登(わかくら まさと)

井上眼科病院(東京・御茶ノ水)名誉院長
1949年東京生まれ。北里大学医学研究科博士課程修了。グラスゴー大学シニア研究員、北里大学助教授、井上眼科病院副院長を経て、2002年から同病院院長。12年4月から現職。日本神経眼科学会理事長、東京大学医学部非常勤講師、北里大学医学部客員教授などを歴任し、15年4月にNPO法人「目と心の健康相談室」を立ち上げ副理事長に就任。「医者で苦労する人、しない人---心療眼科医が本音で伝える患者学」、「絶望からはじまる患者力」(以上春秋社)、「心療眼科医が教える その目の不調は脳が原因」(集英社)、医療小説「茅花流しの診療所」(青志社)など著書多数。専門は、神経眼科、心療眼科。予約数を制限して1人あたりの診療時間を確保する特別外来を週前半に担当し、週後半には講演・著作活動のほか、NPO法人、患者会などでのボランティア活動に取り組む。

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