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いのちは輝く~障害・病気と生きる子どもたち

コラム

胎児エコー検査は出生前診断だった 「何か異常」のあいまいな診断を悲観し、中絶を選んだ妊婦

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腹壁破裂の赤ちゃんを放置し、「死産」と告げた産科医

 今は、小児外科に関する知識が豊富な産科の先生が多くなりました。「手術によって病気がしっかり治る」ということを、産科の先生が認識しておくことは大変重要です。そうでなかった時代には、こんなことがありました。

 私が研修医だった頃、生後2日の腹壁破裂の赤ちゃんが大学病院に搬送されてきたことがありました。腹壁破裂とは、へその横に開いた穴から腸がすべて飛び出して生まれてくる先天奇形です。なぜ、この赤ちゃんは生後0日ではなく、2日目に大学に搬送されたのでしょうか? 実は、産院の先生が、赤ちゃんの姿を見て「絶対に助からない」と思い、両親に「死産だった」と告げたのです。

 赤ちゃんは、 分娩(ぶんべん) 室の片隅に放置されました。ところが、2日たっても泣き声を上げていたのです。産院の先生はびっくりして、赤ちゃんを大学に送ったのです。この赤ちゃんは手術を受けて助かりました。後遺症もありませんでした。

「よく分からないが、胆道に異常が…」

 超音波検査の精度がさらに上がっていった2000年前後は、出生前に病気と診断されていた赤ちゃんと、生まれてから外科疾患が判明するケースが相半ばしていました。過渡期だったわけです。過渡期ならではの悲しい出来事もありました。

 ある時、産科の先生から、「近日中に胎児エコーで赤ちゃんの異常がわかった母親が受診する予定なので、検査に立ち会ってほしい」と言われました。よくは分からないが、胆道に異常があるとのことでした。胆道閉鎖症や胆道拡張症なら、現在はエコーではっきりと分かります。しかし、2000年当時は、そこまでの診断が無理でした。「紹介してきた開業医の先生は、いったいどういう異常を見つけたのか」と私は (いぶか) りました。

 ところが、その母親は結局、大学病院を受診しませんでした。「何か異常がある」と聞いて、人工妊娠中絶を選んでしまったのです。あいまいな情報で、親が不安になってしまったのです。

 現在も、こうした問題が100%解決されているとは言えません。しかし、産科の先生は毎週必ず小児外科の症例検討会議に参加し、どういう妊婦が入院していて、赤ちゃんはどういう状態かを教えてくれます。非常にうまく連携が取れています。

 以前は胎児のMRI検査を行うことがありましたが、現在は胎児エコーのみで十分です。つまり、それくらい検査器機の精度が上がっています。同様に、産科の先生の腕も上がっています。(松永正訓 小児外科医)

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いのちは輝く~障害・病気と生きる子どもたち

 生まれてくる子どもに重い障害があるとわかったとき、家族はどう向き合えばいいのか。大人たちの選択が、子どもの生きる力を支えてくれないことも、現実にはある。命の尊厳に対し、他者が線を引くことは許されるのだろうか? 小児医療の現場でその答えを探し続ける医師と、障害のある子どもたちに寄り添ってきた写真家が、小さな命の重さと輝きを伝えます。

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松永正訓(まつなが・ただし)

1961年、東京都生まれ。87年、千葉大学医学部を卒業、小児外科医になる。99年に千葉大小児外科講師に就き、日本小児肝がんスタディーグループのスタディーコーディネーターも務めた。国際小児がん学会のBest Poster Prizeなど受賞歴多数。2006年より、「 松永クリニック小児科・小児外科 」院長。

『運命の子 トリソミー 短命という定めの男の子を授かった家族の物語』にて13年、第20回小学館ノンフィクション大賞を受賞。2018年9月、『発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年』(中央公論新社)を出版。

ブログは http://wallaby-clinic.asablo.jp/blog/

名畑文巨(なばた・ふみお)

大阪府生まれ。外資系子どもポートレートスタジオなどで、長年にわたり子ども撮影に携わる。その後、作家活動に入り、2009年、金魚すくいと子どもをテーマにした作品「バトル・オブ・ナツヤスミ」でAPAアワード文部科学大臣賞受賞。近年は障害のある子どもの撮影を手がける。世界の障害児を取材する「 世界の障害のある子どもたちの写真展 」プロジェクトを開始し、18年5月にロンドンにて写真展を開催。大阪府池田市在住。

ホームページは http://www.fumionabata.com/index.html

名畑文巨ロンドン展報告

ギャラリー【名畑文巨のまなざし】

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