フリーアナウンサー 大橋未歩さん
一病息災
[フリーアナウンサー 大橋未歩さん]脳梗塞(3)「今はつぼみ」受け入れた
脳 梗塞 と診断され、長期の休養を余儀なくされた。社内でも“健康優良児”で通っていただけに、初めての経験に戸惑った。
テレビでは、代わりに入った後輩のアナウンサーがうまく番組を切り盛りしている。
「私がいなくても、番組も社会も差し障りなく動いているんだ」
テレビ局には必要とされていると思っていた。それが無上の喜びでもあった。現実を突きつけられると、社会から取り残されているような疎外感を覚えた。
休養中は、神戸の実家に戻った。山の手を歩くと、春を待つ桜の木々が目に入ってくる。
「花を咲かせるにはつぼみの期間が必要。今の自分にとってもこの休息は必要なことだったんだ」。言い聞かせるうちに、病気を受け入れられた。
脳梗塞の原因は、内 頸 動脈の解離で出来た血栓が脳に飛んだこと。数か月様子をみても解離した部分は治らず、付き合っていくしかないと言われた。
「爆弾を抱えて生きるのは嫌だな」。信頼できる医師に巡りあい、再発を防ぐため首の血管にステント(網目状の金属)を入れることを決めた。今は薬も不要で、年1回の検査に通うだけで済んでいる。
「医学の進歩のおかげですね。このステントなしでは生きていけない。私のお守りです」
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フリーアナウンサー 大橋未歩さん(40)
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