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予想以上に多いサッカー青少年の心臓突然死

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イングランドサッカー協会が選手1万人超を追跡調査

予想以上に多いサッカー青少年の心臓突然死

 英・イングランドサッカー協会(FA)が過去20年間にスクリーニングを行った16歳前後の会員約1万1,000人を追跡調査した結果、サッカー選手266人当たり1人に突然死を引き起こす可能性がある心疾患が見つかり、心臓突然死の発生率は10万人当たり6.8人と予想以上に高いことが、医学専門誌 N Engl J Med2018; 37: 524-534)に報告された。心臓突然死の原因の多くが16歳時に検出されなかった心筋症だったことも判明し、FAは直ちにスクリーニング機会を増やす対策を講じている。

選手の心臓突然死データは不足

 心臓突然死は、年齢が若く(35歳未満)、一見健康なアスリートでも起こりうる。その発生率は正確に把握されておらず、青少年アスリート集団における心疾患スクリーニングのデータは不足している。今回、研究者らは1996~2016年にFAの心臓スクリーニング(問診票、身体検査、心電図、心エコー検査)を受けたサッカー選手1万1,168人(平均年齢16.4歳、男性95%)を対象に検討した。

突然死の多くは未検出の心筋症

 スクリーニングの結果、42人(0.38%)で心臓突然死を引き起こす可能性がある心疾患が検出され、その9割以上は症状がなかった。この42人は、可能であれば治療を受け7割が競技に復帰した。40人は生存、2人は医師による競技禁止の指導に従わず、その後死亡したという。一方、先天異常または弁膜異常は、225人(2%)で発見された。

 スクリーニング後の全死亡例23人中8人は心臓突然死で、うち7人の原因は心筋症と判明した。また、6人はスクリーニング結果が正常だったにもかかわらず、平均6.8年後に心臓突然死していた。検討結果から、青少年サッカー選手における心臓突然死の発生率は10万人当たり6.8人と推計され、最近のマスコミ報道や保険請求に基づく推計(10万人当たり0.5~2人)の3倍に上った。

スクリーニング機会を増やす

 研究者らは「心臓突然死の大半は、生前に検出可能な先天性または遺伝性疾患によるものとみられ、非常に痛ましい。今回、16歳時のスクリーニングでは、遺伝的素因がある心筋症の一部を見逃す可能性が示唆された。さらに継続的な評価が必要かもしれない」と指摘。この結果を受け、FAは直ちに18歳、20歳および25歳時にスクリーニングを追加し、連続的な評価を行うことを決定した。(あなたの健康百科編集部)

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