40代から備えよう「老後のお金」 楢戸ひかる
医療・健康・介護のコラム
「国公立は私立より安い」とは限らない 続々生まれる奨学金制度で親の老後も安泰に!?
前回のコラム で、「教育費と老後費用は綱引き関係にある」と書きました。人生の三大資金は「住居費」「教育費」「老後費用」で、そのハードルを順次、クリアしていくことになります。ここで必要なのは、「最後のハードルである老後にたどりつくまでに、いかに家計の体力を保っておけるか?」という視点。手前の各ハードルで、無理し過ぎないことが大切です。

教育費負担は情報収集で差が付く
「教育費ハードル」のキーワードは、情報収集。たとえば、「大学はとにかく国公立。授業料が私立の半額だから」というのは昔の話です。現状では、給付型奨学金・授業料免除などの制度が充実した私立大学の場合、国公立より学費の負担が少なくなることもあり得ます。
私たち40代が、「常識」だと思っていたことに変化が起きている……。変化をキャッチできている方が、オトクなことは多いのです。「知っている人と、知らない人では大違い!」というのは、マネーの記事でよく使うフレーズですが、とりわけ教育費の分野は情報格差が広がっています。
たとえば近畿大学は、入学試験の優秀者の授業料を、卒業まで全額免除する制度があります(医学部は除く、薬学部は半額)。駒沢大学にも、4年間の授業料を給付する奨学金制度があります。
大学名 | 制度名 | 概要 |
近畿大学 | 入試成績優秀者対象特待生 | 各学部の入学試験成績優秀者は4年間授業料を全額免除 |
駒沢大学 | 駒沢大学新人の英知(入試特待生)奨学金 | 2月実施の一般入学試験T方式の成績優秀者64人に授業料相当額を給付 |
(2018年8月現在の大学のホームページをもとに筆者作成) |
私立大学だけでなく、国立大にも給付型奨学金はあります。たとえば一橋大学の「学業優秀学生奨学金制度」、九州大学の「九州大学基幹教育奨励賞」。給付型奨学金や授業料免除は保護者の年収要件があることも多いのですが、両校の判定基準は成績のみです。
大学名 | 制度名 | 概要 |
一橋大学 | 学業優秀学生奨学金制度 | 前年度に優秀な成績の12人に毎月8万円(年96万円)送金 |
九州大学 | 九州大学基幹教育奨励賞(奨学金) | 1年次の基幹教育科目の成績が優秀な2年生50人に35万円を支給 |
(2018年8月現在の大学のホームページをもとに筆者作成) |
給付型奨学金や授業料免除を受けるための要件、給付期間や金額は、各大学が独自に決めています。志望大学のリサーチ項目に、「奨学金制度の状況」を加えてみると良いでしょう。
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