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宋美玄のママライフ実況中継

コラム

災害の国で、子どもを守る

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 まだまだ暑い日が続き、小学校の夏休みの終わりが待ち遠しい今日この頃です。

 この夏は、暑さと台風のくり返しですね。予定を入れていても、台風で移動できなくなるなど、私も天候に振り回されています。

 子どもがいると、悪天候のときは、ことに身動きが取りづらいですね。

 6歳の子に雨がっぱを着せて長靴をはかせ、傘をもたせる。2歳の子のベビーカーには雨カバーをかぶせて、自分も傘を差す――。でも、ベビーカーを押すと、腕の根元までびしょぬれです。しかも、大雨なのに雨カバーを取りたがって暴れる、イヤイヤ期の2歳児……。

 今年の日本列島は、地震や水害に何度も見舞われています。私がかつて住んでいた岡山県は、天災が少なく「晴れの国」だとPRしていましたが、今回は、そういうわけにはなりませんでした。四季があっておいしい食べ物に恵まれているこの国ですが、地震や水害を考えると、どこに住んでいても、いつ被災しても、おかしくないと改めてわかります。

災害時の苦労を、カフェで実感

災害の国で、子どもを守る

毎日持ち歩いている防災ポーチとその中身です。「持ち歩いていてよかった!」と思うことが、しょっちゅうあります。

 小さなお子さんのいらっしゃる人ほど、被災地のニュースを人ごとと思えないのではないでしょうか。災害時に、自分たちは無事に避難したり、うまく切り抜けられたりできるかどうか、不安になると思います。

 最近、災害時に子どもの命を守る啓発活動をしている、かもんまゆさんの「防災ママカフェ」に参加し、防災意識を新たにしました。

 日本は地震や災害がとても多い国です。今日にも、どこかで大きな地震が起こるかもしれません。「まあ、大丈夫だろう」と思っていては、大切な子どもの命は守れません。

 家の中にいるときに地震が起きた場合、床で遊んでいたり、ハイハイしたりしている子の命を奪うようなものがそばにないか――。もう一度、家の中を見回しました。

 元々、防災リュックは用意していましたが、外出中で、どうにもならないこともあります。帰宅できないまま避難しなければならない時のために、防災ポーチを準備し、毎日必ず持ち歩くようにしました。特に、携帯トイレやウェットティッシュ類、消臭スプレーなどの衛生、防臭用品を充実させています。

災害時にやさしくしてもらえない子どもをどう守るか

 これは、ニュース映像では伝わらないことですが、総じて避難所の衛生状態が悪く、臭いが気になることや、余裕のない時や場所では、小さな子どもにやさしくしてもらいにくいことをカフェで教わったからです。

 子どもは、災害時だろうと、食べ慣れないものやおいしくないものは食べません。そこで、防災リュックに普段から食べている好物のビスケットの備蓄缶も入れました。

 リュックには、登山用の宿泊用品や防寒具も加えました。西日本豪雨のために、一時的に子連れで避難したというママたちから、「とっさのことで半袖で避難したけれど、とても寒かった」「学校などの避難所では、レジャーシートなどがないと、とても教室の床で眠れない」――などと聞いたからです。個人の力で解決できるものではありませんが、「雨がやんで自宅の片付けをしたくても、小さな子どもの一時預かりがなくて、身動きが取れなかった」という話もありました。

 来月1日は防災の日です。防災リュックの中身を再確認したり、職場や家庭で災害や対策について話し合ったりするとよいと思います。(宋美玄 産婦人科医)

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宋 美玄(そん・みひょん)

産婦人科医、医学博士。

1976年、神戸市生まれ。川崎医科大学講師、ロンドン大学病院留学を経て、2010年から国内で産婦人科医として勤務。主な著書に「女医が教える本当に気持ちのいいセックス」(ブックマン社)など。詳しくはこちら

このブログが本になりました。「内診台から覗いた高齢出産の真実」(中央公論新社、税別740円)。

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1件 のコメント

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日常と非日常の間にあるものを考える

寺田次郎 六甲学院放射線科不名誉享受

フリーになってから他の医師に無い経験値を増やすために学会も含めて海外に行くことが増えました。 (今夏はマラガとカタルーニャに続いてバスクでもおそ...

フリーになってから他の医師に無い経験値を増やすために学会も含めて海外に行くことが増えました。
(今夏はマラガとカタルーニャに続いてバスクでもおそらく初めて病院放射線科見学を行った日本人医師になりました。)

人間は日常においては非日常を望み、非日常に置いては日常を望む傾向がありますが、日常に追われている方に様々な非日常を考える機会を持ってもらうことは大事だと思います。
旅行と避難でも相似と相違があります。
その事を踏まえて避難時の準備を考える必要があります。
その中で必須のものと不要なもの、その間にあるものの違いがあります。
そして、国際化する日本社会の中で海外の方への配慮も必要になります。
(それが弱者である多くの子供や老人を救うことになります。)

僕自身スペインにおいては外国人であり、英語も複雑なところの理解には難があります。
スペインでも地方都市になると英語を喋れる人はかなり少なくなります。
喋れる人でも難しいことは分かりません。
同じようなことは日本の各地域でも言えます。

個人や家族の対策も大事ですが、あるいはもう少し大きな枠組みも大事かもしれません。
インフラもそうですし医療のバックアップ体制なんかもそうですね。
これは個人の人生との相似でもありますが、何をやっても助からないことがある一方で、やるべきことをやったおかげで助かることは沢山あります。
個人では行動の制約も大きいですが意見の共有なんかは出来ますし、それが行動に繋がれば効率的な組織運用に繋がることもあるのかと思います。

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