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夏休み明け前後に自殺増加、「学校つらい」なら相談して…SNSや授業で防止

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夏休み明け前後に自殺増加、「学校つらい」なら相談して…SNSや授業で防止
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 夏休み明け前後に子供の自殺が増えることから、悩みを抱えた子供にSOSを発信させようという取り組みが広がっている。学校の授業やSNSなど、様々な機会を通して命の大切さを訴え、自殺を思いとどまってもらう狙いがある。

自分を大切に

 「自分を大切にしよう」

 東京都教育委員会は今年、ストレスへの対処法などを子供に考えさせるDVD教材を作成し、小中高校の授業で活用を始めた。「自殺」という言葉は使わず、悩みを周囲の人に相談してもよい、と強調している。

 東京都福生市立福生第七小学校で7月中旬、DVDを使った授業が行われた。6年担任の浅井博行教諭(39)が「つらい時はどうする」と呼びかけると、児童はそれぞれ対処法を書き出した。授業後、ある児童(12)は「自分なら叫ぶ。でも、友達に相談する方法もあるんだと思った」と話した。

 自殺対策に取り組むNPO法人「ライフリンク」によると、自殺する若者は助けの求め方が分からず、公的な窓口も知らない例が少なくないという。このため文部科学省は今年、子供にSOSを発信させる取り組みを年1回は行うよう全国の教委に通知した。

小中高校生の自殺は増加

 警察庁などによると、自殺者の総数は2009年の約3万3000人から17年は約2万1000人と減ったのに対し、小中高校生は09年の306人から17年は357人と逆に増えている。

 また、自殺総合対策推進センターが1973~2015年度の自殺を分析したところ、小中高校生の自殺者は9月1日が最多で109人。前後にあたる同2日は83人、8月31日も84人だった。原因は学業不振や友人関係、進路の悩み、いじめなどで、森口和研究員は「長期休みで学校に関する悩みを忘れていたのに、再開が近づくと思い出され、ストレスになっている」と語る。

いじめ、友人関係、勉強など…

 子供が気軽に相談できるようにと、SNSで相談を受ける自治体も増えている。文科省は今年度、30自治体を補助している。

 昨年11月から市立中学生を対象に無料通信アプリ「LINE(ライン)」での相談を始めた大津市。今年3月までに延べ67回の相談があり、同期間の電話件数を上回った。内訳は、いじめ関係が11回、友人関係や恋愛相談、勉強などが44回だった。

 SNSでの相談では、子供の表情や声の調子が分からず、深刻さが判断しづらいなどの問題もある。相談経験のある京都大の杉原保史教授(臨床心理学)は「SNSは子供が相談しやすい窓口としてニーズがある。大人がノウハウを共有し、相談技術を向上させる必要がある」と指摘している。

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