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高齢期の住宅リフォーム…介護見据え寝室に150万円

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高齢期の住宅リフォーム…介護見据え寝室に150万円
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 働き盛りの頃に建てたマイホームの水回りが傷んだり、子どもが独立したりして、高齢期に入りリフォームを考える人は多い。せっかく手を入れるなら、介護が必要になった時など、少し先まで見通したい。どこに、いくらぐらいかけるとよいのか。専門家にポイントを尋ねた。

 一人息子が独立し、都内の一軒家で暮らす60歳代の夫婦は、夫の退職を機にリフォームを決めた。「最期まで住み続けられる住まい」が願いで、予算は1000万円。相談を受けた1級建築士の溝口千恵子さんは「水回りの改修だけなら約300万円。700万円あれば、最期を見据えたリフォームが十分可能」とアドバイスした。

 足腰が弱ってもつまずかないように、敷居などの1~2センチの小さな段差は、1平方メートルあたり1万円で床材を張り替えて解消。車いすなどでも通りやすいように、開き戸を1か所あたり20万円で引き戸に換えた。

 浴室や脱衣所を100万円かけて広くするなど、水回りのバリアフリー改修には計290万円をかけた。

 手すりが必要になることも想定し、廊下や玄関脇などの壁紙を張り替える際、ビスが打てる木製の下地を入れた。下地の費用は1平方メートルあたり5000円程度。こうしておけば、簡単な工事で手すりを取り付けることができる。

 高齢期のリフォームで最も大切なのは、介護が必要になった時の寝室をどこにするかだ。日中も過ごす部屋になるので、日当たりや風通しが良いことが条件。一般的に、1階の客間や和室が候補になる。

 この夫妻も、1階の南東向きの10畳の客間を将来の寝室と決め、改修に150万円をかけた。床まである大きな窓をつけて、将来、簡単な工事で介護スタッフらの出入り口が作れるようにした。2万円かけてコンセントを増設し、介護用の電動ベッドや医療機器の持ち込みに備えた。壁紙は夫妻の好みを取り入れて選定。1平方メートルあたり1500円前後が一般的という。

 居間に飾り棚を作り、子ども部屋を書斎に替えた。費用総額は、予算を下回り890万円だった。

 このほか、溝口さんは「玄関を広くすることも考えたい」と話す。つえや歩行器を使うようになったり、介助のスペースが必要になったりするためだ。1畳分広げるのに必要な費用は60万~100万円という。

 玄関前の階段を緩やかにしたりスロープにしたりするには、20万~30万円かかる。また、介護スタッフや子どもが訪れる際に困らないよう、駐車スペースも確保できるとよい。

 溝口さんは「体が不自由になってからでは、応急処置的な改修になってしまいがち。元気なうちに間取りや動線を見直すとよい。高齢期にどんな生活をしたいのか丁寧に聴き取り、選択肢を示してくれる業者を選んでほしい」と話す。

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  [アドバイザー]溝口千恵子さん

 1級建築士。医療施設や高齢者施設の設計を手がけ、1993年にバリアフリー住宅の設計やリフォームを専門とする高齢者住環境研究所を設立。1万件を超える実績がある。共著に「定年前リフォーム」「生活にあわせたバリアフリー住宅Q&A」など。

50歳以上なら税控除も

 高齢期にバリアフリーリフォームをする場合、減税などの優遇措置がある。

 50歳以上であれば、国土交通省が示す標準的な工事額(上限200万円)の10%を、その年の所得税額から控除できる。バリアフリー改修にかかった費用(上限250万円)を5年以上のローンを組んで支払う場合は、費用の2%を5年間、所得税額から控除してもらう方法もある。

 いずれの場合も翌年度分に限り、固定資産税が一部軽減される。減税の仕組みは住んでいる地域によっても異なるので、リフォーム業者に相談してほしい。

 また、介護保険の要介護認定を受けた場合、バリアフリー改修にかかった費用(上限20万円)の7~9割が介護保険から還付される。

 見積書の見方などについては、「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」(0570・016・100)に電話で相談できる。

 (大広悠子)

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