いきいき快適生活
介護・シニア
女性のトラブル 骨盤底筋鍛えて
尿漏れ トレーニングで軽減
咳 をしたときや、トイレまでのちょっとの我慢がきかず、尿が漏れてしまった――。専門家によると、多くの女性がこうした経験に悩まされているという。トレーニングを重ねたり専用のパッドを活用したりして、外出時なども快適に過ごしたい。
「尿漏れは、女性なら誰でも起きうるトラブルです」。名古屋第一赤十字病院で「女性泌尿器科」部長を務める加藤久美子医師によると、日本排尿機能学会が全国の40歳以上の男女を対象に行った調査(2003年)では、女性の44%が「尿漏れがある」と回答。男性(18%)の倍以上にのぼった。
尿漏れには、 膀胱 の出口が弱い「腹圧性尿失禁」と、膀胱が敏感な「切迫性尿失禁」の2タイプがある。
腹圧性尿失禁は、咳やくしゃみが出たときや、急に走ったり速足で歩いたりしたときなどに腹圧がかかり、少しずつ尿が漏れるもので、骨盤底が緩むために起こる。出産( 経膣分娩 )によって、尿道の周りの筋肉が緩むことなどが主な原因で、中高年だけでなく若い女性にも多いそうだ。
加藤医師は「腹圧性の場合は、漏れが少量で軽症の人が目立ちますが、花粉症の人や、荷物を持ち上げたり患者さんを抱きかかえたりといった作業がある仕事に就いている人は、くしゃみや作業のたびに漏れていると、生活に支障が出ます」と説明する。
一方、切迫性尿失禁は、尿意を感じてからトイレに行くまでに間に合わず漏れてしまうもので、シニア世代から増えるそうだ。トイレのドアノブに手をかけたときに漏れる、炊事や洗濯で水に触ったときに急に尿意が強まって漏れるといったケースが多い。
加藤医師は「少量で頻度も少なければ、笑い飛ばすくらいの元気も必要。日常生活や旅行、スポーツで困る程度ならば、専門医に相談しましょう」と助言している。
尿漏れ、特に腹圧性尿失禁の対策としては、骨盤底筋のトレーニングもお勧めだという。切迫性尿失禁の場合は、「早めにトイレに行っておく」という習慣を見直し、ある程度尿をためておけるようにする「膀胱トレーニング」も試してみよう。
肌着を汚さないためのパッドも、種類が豊富になっている。ユニ・チャーム(東京)は、「チャームナップ 吸水さらフィ」と「ライフリー さわやかパッド」の2ブランドで専用品を販売している。生理用品や介護用品の売り場で主に取り扱っている。
同社の調査では、生理用品で代替している人が約6割いたといい、グローバルマーケティング統括本部の加納淳子さんは「専用品は吸水性が良く、アンモニア臭対策などの工夫もあります」と薦める。
吸水量に合わせて選ぶ場合、「自分がどのくらい漏れているか分からない」という人もいるだろう。同社のウェブサイト「尿もれケアナビ」では、実際にパッドをつけて重さの変化を測る方法などを紹介している。
「尿もれケアナビ」( http://www.nyoucare.jp/check/index.html )
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