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街で障害のある人と出会ったら~共生社会のマナー

医療・健康・介護のコラム

白い杖を持った人が道で困っている どうすればいい?

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体に触れる前に「声かけ」を 押したり引っ張ったりしない

 実際に、お困りの様子の方がいらっしゃった際、どのようにすればいいかを考えてみましょう。

 基本は、次の3つです。

(1)突然、体に触れない。必ず「声かけ」をしてから触れる。
 突然、体に触れられたら誰でも驚きます。触れる際は、声をかけてからにしましょう。

(2)体を押したり、引っ張ったりしない。
 身体のバランスを崩して、転んでしまう危険性もあります。方向を変えてほしい場合は、声をかけて自分で変えてもらいましょう。

(3)白杖をむやみに預かったり、引っ張ったりしない。
 白杖は、視覚に障害のある方にとってとても大切なものと理解しましょう。

ひじの上側や肩をつかんでもらい、半歩または一歩前を歩きます

 まず、「何かお手伝いすることはありますか」と介助の必要の有無を確認することから始めます。「慣れている場所」「単独での歩行に支障はない」など、介助を必要としないこともあるからです。そして、なるべく正面から、明るく笑顔で声かけをしましょう。お仕事中であれば、自分の所属や名前も言ってください。より安心していただけます。

曲がるときは直角に 「こちら」「その辺」と言ってもわからない

 次に具体的な案内方法です。視覚に障害のある方の歩行誘導方法を「手引き」と言います。手引きの基本は、障害のある方に、手引き者の体のどこかをつかんでもらうことです。通常はひじの上腕寄りや肩をつかんでもらいます。

 歩くときには、手引き者が半歩または一歩先を歩き、進む止まるをはっきり言葉で伝えます。速度、歩幅は相手に合わせましょう。歩行中は、基本的にまっすぐ進み、方向転換する際は直角に曲がるようにします。

 そして、周囲の様子を把握できるよう、見える情報を具体的に説明しながら歩いてください。その際、「こちら、そちら、あちら、その辺」などの指示語は、視覚に障害のある方にはわかりにくいので、避けましょう。

段差や階段などを歩く時は、いったん止まって説明してから

 足元の形状が変わるところ、例えば、段差や階段、溝があれば、手前でいったん止まり、「上りか下りか」「段差の高さや数えられる範囲の段数」「溝の幅」などを詳細に説明し、確認していただいてから通過します。

 一時のお手伝いかもしれませんが、一期一会の精神で、お互いに気持ちの良い時間を過ごせるように、そっと、さっと、安心していただける声かけをしてくださいね。(冨樫正義 サービス介助士インストラクター)

 このコラムではサービス介助士の学びから高齢な方や障害のある方のお手伝い方法をお伝えする他、認知症や災害時のお手伝い方法など、これからの生活で身につけていただきたいことをご紹介していきます。

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街で障害のある人と出会ったら~共生社会のマナー

冨樫 正義(とがし・まさよし)

冨樫 正義(とがし・まさよし)
 1973年、埼玉県生まれ。桜美林大学大学院卒(老年学研究科修士号)。東洋大学国際観光学部非常勤講師。法律事務所、不動産関係会社、人事コンサルタント、専門学校講師を経て、現在、サービス介助士、防災介助士、認知症介助士などを認定・運営する団体「公益財団法人日本ケアフィット共育機構」(0120‐0610‐64)のインストラクターとして、年間50社以上の企業対象研修を担当するほか、企業のバリアフリー・ユニバーサルデザインのコンサルティングも行う。

平野 恵(ひらの・めぐみ)

平野 恵(ひらの・めぐみ)
 視覚障害と軽度の移動機能障害がある。2歳から4歳まで盲学校幼稚部、その後、小学校から高校まで養護学校(現在の特別支援学校)に通い、高校まで車いすを使用して生活をしていたが、大学入学後の訓練を経て、現在では白杖のみで歩行している。日本ケアフィット共育機構事務局に勤務。サービス介助士アドバイザー。

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1件 のコメント

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聴覚障害者

妖怪

共生社会のところに、「ヘルプマークをつけている方々を見かけたら」とありましたが、聴覚障害者も外見からはそれとわからないので、困っていることもあり...

共生社会のところに、「ヘルプマークをつけている方々を見かけたら」とありましたが、聴覚障害者も外見からはそれとわからないので、困っていることもあります。耳が聞こえないと言っても、大声ならわかるだろうと思い込む方々が多いのです。聴覚障害者が一番困るのは、何かあったときに流れる放送がわからない、ということです。電車が急停車したときに流れる車内放送がわからず、先方にメールで連絡取れないのです。
それで聞こえない方から、紙とかでどうしましたか?と聞かれたら、放送の内容等をその紙に書いて下さると、大変助かります。
よろしくお願いいたします。

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