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いつか赤ちゃんに会いたいあなたへ

コラム

妊活 始めるなら、「今!」でしょ

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避妊をしないのに1年以内に妊娠しなければ、「不妊」

 そもそも不妊症は、健康な男女が避妊をせず性行為を行っても「一定期間」内に妊娠しない場合を指します。日本産科婦人科学会は、この一定期間を、「1年間」としています。年齢は関係ありません。

 日本生殖医学会によると、「純粋に」「生物学的に」みると、妊娠・分娩ぶんべんに最適な年齢は20歳代、おそくとも35歳まで、と考えられています。

 もちろんここを過ぎても、妊娠・出産している人は大勢います。ただ、年齢とともに自然妊娠しづらくなるため、不妊治療に頼らざるを得ない人も増え続けます。日本産科婦人科学会の報告によると、体外受精などの高度不妊治療の実施は年々増えていて、2015年には42万4151件だったそうです。

年齢が上がったら、不妊治療……というわけではない

 それなら、年齢が上がったら、不妊治療を受ければよいのね、と思いますか? 実は、私もそうでした。でも、解決策をみつけたつもりで、30代に入ってすぐ、初めて受けた体外受精で妊娠できなかった時には、がく然としました。「体外受精さえすればすぐに妊娠できるはず」と信じきっていたからです。

 不妊治療が、赤ちゃんに会いたいあなたの望みをかなえる「魔法のつえ」になるとは限りません。さきほどの2015年のデータでも、出産できる可能性は、1回の治療につき12%を下回っています。最新医学の力を借りても、厳しい数字なのです。

 年齢に関係した話では、もうひとつあります。年が上がると、とても残念なことに、流産したり、妊娠中毒症や難産になったりするリスクが高まります。

 35歳以降の初産は「高齢出産」と日本産科婦人科学会では定義されています(1993年以前は30歳)。これは、昔と少しも変わりません。今は、私たち女性の社会進出が進み、見た目も気持ちも若いため、この点を見過ごしてしまうのです。私もそうでした。

 でも、人間の生殖機能の限界は変わっていないことを、ぜひ知っておいてほしいのです。

妊活に「早すぎる」はなし!

 「妊活は、いつから始めればよいですか?」とよく聞かれます。

 私の答えは一つ。「どうぞ、今から始めてください。早すぎることはありません」。

 なかなか妊娠しない、という時は、検査だけでも受けることを勧めます。特に女性が30代半ば以上の場合や、20代でも月経異常や月経困難、子宮内膜症など、婦人科の病気がある場合です。

 男性も、幼いころにおたふく風邪などで何日も高熱を出した、サウナが大好きでよく通う、日常的に自転車で長距離移動する――など、生殖能力を損ないかねない、気がかりなことがあるなら、検査だけでも早めに受けてください。何か見つかったら、早めの対処や治療ができるかもしれないのですから。

 「子どもは早めに産みましょう」と勧めるつもりも、子どもを持つことだけが幸せだ、と言うつもりもありません。ただ、産む、産まないは、本人の自由意思と選択で行われるべき。そのための選択肢を多く持っておくためにも、必要な情報はぜひ知っておいてもらいたいのです。

 ぼんやり過ごしているとキャラクターに叱られる――というテレビ番組があります。私の気分は、まさにあんな感じ。

 「いつか赤ちゃんが欲しい」と思っている、全国の皆さん。もし、パートナーが結婚や妊娠に二の足を踏んでいるようなら、ぜひこのコラムを読ませてください。伝言もお願いします。

 「欲しいなら、自分から積極的に迎えに行かなくちゃ! ぼーっと待っていると、マツモトに叱られるよ」と。(松本亜樹子 特定非営利活動法人Fine=ファイン=代表)

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松本亜樹子(まつもと あきこ)

NPO法人Fine理事長/国際コーチ連盟認定プロフェッショナルサーティファイドコーチ

 長崎市生まれ。不妊経験をきっかけとしてNPO法人Fine(~現在・過去・未来の不妊体験者を支援する会~)を立ち上げ、不妊の環境向上等の自助活動を行なっている。自身は法人の事業に従事しながら、人材育成トレーナー(米国Gallup社認定ストレングス・コーチ、アンガーマネジメントコンサルタント等)、研修講師として活動している。著書に『不妊治療のやめどき』(WAVE出版)など。
Official site:http://coacham.biz/

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