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五味院長の「スッキリ!体臭で悩まなくなる話」

医療・健康・介護のコラム

体臭を抑える食事法(中)飲酒後はシジミの味噌汁、汗臭対策には鍋料理、わきがはリンゴでマッサージも

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海のヌルヌルと陸のヌルヌルの相乗効果

 メカブのような海のヌルヌル食材は、陸のヌルヌル食材の納豆やオクラ、トロロなどと混ぜて食べると消臭効果が倍増します。唾液がまだよく出ていない朝食時には、食前に早口言葉で『海のヌルヌル、陸ヌルヌル。合わせてニュルニュル、ヌニュル、ニュル。』と3回くらい唱えてください。あっと言う間に唾液が出て、 美味(おい) しくいただけます。

 果物では、リンゴの「ポリフェノール」に消臭効果がありますが、酢の消臭作用と掛け合わせると、さらに効果的な消臭食物ができます。それが「酢リンゴ」です。

 広口のビンに穀物酢を500ミリ・リットルほど入れ、皮付きのリンゴを四つ切りにして種を取り密封します。2~3週間置くと出来上がりです。リンゴはそのままでも、薄くスライスしてサラダに混ぜて食べてもよいでしょう。漬けた酢もそのまま少しずつ飲んでください。果実の部分を食べて、残った芯の部分でワキの下を軽くマッサージすると、わきが臭に効果的です。ポリフェノールの消臭作用にプラスして、わきが臭のもとになる「アポタンパク」の産生を抑えるといわれています。

パセリ、パパイア、パイナップル…

 パセリは食べ物のツマではなく、りっぱな消臭食材です。ポリフェノールも多く、「クロロフィル」という消臭成分も含まれていて相乗効果で体臭を予防します。苦みのあるパセリは、そのままでは食べにくい人もいますので、みじん切りにしてオリーブオイルを数滴かけ、それを料理に加えたり、ソース類に混ぜ合わせたり、お好みに合わせていただきます。

 パセリは、お肉の臭み取りにも有効です。パパイアやパイナップルのエキスも、あらかじめお肉にすり込んでおくことで、そのタンパク質分解酵素が肉の臭みを取り、体臭の予防になります。おろしダイコンにも同様の作用があります。

夏の鍋料理で「いい汗」を

 いい汗をかいて汗腺の機能を高め「皮膚由来の体臭」を抑えるのが、葛やショウガです。葛湯やショウガ紅茶にして飲むのがおすすめです。冬は、葛入り味噌汁などにすると、体が温まります。

 エアコンに依存して生活している人は、真夏でも体を温めるダイコン、ニンジン、ゴボウなどの根菜類をふんだんに食べるといいでしょう。時には、エアコンで涼みながらの「夏の鍋料理」も汗腺トレーニングに有効です。鍋料理にかかせない豆腐はイソフラボンを含み、発汗を調節して汗のニオイを抑えます。キノコ類や緑色野菜からは、汗で失われるビタミンやミネラルを補給できます。タンパク質を多く含む魚や肉も、食後の代謝熱で汗をかきやすくし、さらに鍋に付きもののポン酢のクエン酸も代謝を高め発汗を促進します。

 このように一つの料理で、発汗に効果的な様々な食材を取ることができるのが鍋料理なのです。

 次回は、反対に、注意しなければいけない食生活について説明しましょう。(五味常明 五味クリニック院長)

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五味常明(ごみ・つねあき)

1949年、長野県生まれ。一橋大学商学部、昭和大学医学部卒。昭和大で形成外科、多摩病院で精神科に携わった後、体臭・多汗研究所を設立。現在は、 五味クリニック 院長として、東京と大阪で診療する傍ら、流通経済大スポーツ健康科学部の客員教授も務めている。

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