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その医療 ホントに要りますか?

コラム

高血圧治療 虚弱な高齢者への降圧薬は死亡率を上げる!?

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 血圧が高いために薬を飲んでいる高齢者は少なくありません。ただ、治療には注意が必要な場合もあります。

降圧薬の脳卒中予防効果は高齢者にも

 高血圧が問題なのは、血管が傷んで動脈硬化が進み、脳卒中や心筋梗塞を起こしやすくなるからです。高血圧の治療は、こうした病気を予防することに目的があります。上の血圧(収縮期血圧)が140以上、下の血圧(拡張期血圧)が90以上の場合に、高血圧と診断されます。

 実は、かつては「高齢者の高血圧は治療する必要がない」とされていました。年を取るに従って、血圧は高くなっていく。高齢者の血圧が高いのは自然な成り行き――。そんな考え方からでした。

 しかし、現在では高齢者も高血圧はきちんと治療すべきだ、という見方が強くなっています。転機になったのが、1980年代後半にアメリカで行われた臨床試験でした。

 この試験では、60歳以上で、上の血圧が160以上の約4700人を対象に、降圧薬で治療するグループと、治療しないグループに分け、脳卒中が発症する割合を比べました。

 治療開始後の5年間で、降圧薬を飲んだグループは、脳卒中を発症した割合が、治療しない場合に比べ36%低く、予防効果が実証されました。詳しく言うと、脳卒中の発症率は、薬で治療した場合に5.2%、治療しない場合に8.2%でした。

 この試験結果が1991年に発表されると、高齢者の高血圧治療の考え方が大きく変わったのです。

 さらに2008年には、80歳以上の「超高齢者」を対象にした臨床試験の結果が公表されました。ヨーロッパやオーストラリア、中国など13か国の医療機関が参加した大規模試験です。やはり降圧薬で治療した場合、治療しない場合に比べ、脳卒中になる割合が30%低下しました。

 こうしたデータにより、高血圧は年齢にかかわらず治療すべきだ、という考え方が強くなっています。

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tanaka200

田中秀一 (たなか・ひでかず)

 医療情報部(現医療部)、社会保障部、論説委員、編集局デスクを経て現職。長期連載「医療ルネサンス」を18年担当、現代医療の光と影に目を凝らしてきた。「納得の医療」「格差の是正」をテーマとしている。

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1件 のコメント

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全身医療と国民システムの中での高血圧問題

寺田次郎 六甲学院放射線科不名誉享受

続発性高血圧への適切な対応や高血圧薬を巡る不適切論文の問題を除いてもこの問題はひどく大事です。 血圧はあくまで一つのバロメーターであり血圧だけを...

続発性高血圧への適切な対応や高血圧薬を巡る不適切論文の問題を除いてもこの問題はひどく大事です。
血圧はあくまで一つのバロメーターであり血圧だけを見るべきではありません。

連続性で考えれば血管と神経は全身を絶え間なく繋いでおり最重要ですが他にも様々な繋がりがあります。
その時点での血管や関節その他、諸臓器の傷み具合を総合的に勘案する必要があります。
実はこういう科を統合した全身のケアをどの職種やチームが見ていくか、社会形成も含めて凄く難しい問題です。
一部の天才医師ではなく凡庸で真面目な医師のためにシステムは組まれるほうが中長期的に正しいからです。

そして、保険診療は今のところ投薬や手術のウエイトが大きいですが政治的問題を乗り越えてどうやって適切な検査やその評価に移し替えて救急や看取りの問題も含めて処理するか全国レベルでの課題でもあります。
建物の建て替えや遠隔診断インフラの整備と手術などのシステムの整理も勘案するとなると、医療以外の政治も絡んで医師会や専門医会の上層部だけでさえ意見がまとまらないと思います。
それで一部の科や施設の崩壊が負のスパイラルに入っているわけです。

地域の住民や政治家の方の理解と共に医療があるというのは事実でそういう啓発も含めて医療全体の処理を考えていく必要があります。

診察室や手術室の中だけが医療の舞台ではないですし、全ての地域住民は潜在的救急患者です。
運び込まれるまでの時間が数秒か数十年かの違いくらいです。

無駄かもしれませんが同じような内容で、先日のある研究会の演題に出させていただきました。

保険医療制度成立から日本社会も人々も大きく変わりましたが、
「特に高齢者の慢性的な病態における各部位の精査を含めてより大きな視野で医療システムを改変していくその中に高血圧の適正医療の問題がある。」
という認識が重要だと思います。

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