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認知症介護あるある~岡崎家の場合~

コラム

彼が結婚のあいさつに! 認知症の父さんと緊張の初対面

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漫画・日野あかね

結婚、出産…介護を担う私にもできる?

 「自分と同じような、若くして家族の介護をしている人に直接会って、お話を聞きたい!」と、主に10~20代から介護を経験している人にインタビューして、日々の暮らしや介護する側の気持ちを読者に伝える連載を約7年間、介護関係の雑誌で続けています。

 つい先日も、認知症の家族を介護している20代前半の女性に取材させていただきました。そのとき、逆に彼女から、仕事のことはもちろん、将来の結婚や出産について「私、大丈夫ですかね?」と、切実な顔をして質問をされる場面がありました。

 実はこれも「認知症介護あるある」なのです。もちろん認知症に限ったことではないのですが、病気や高齢の家族を介護している若い介護者たちは、みんな将来に不安を抱えています。

 そんなとき、私は決して偉そうなことを言える立場ではありませんが、同じく20代前半から介護をしている先輩として「本人がしたいのであれば、なんとかなるよ!」と答えています。あくまで私の考えですが、医療・介護サービスを中心とした社会資源や周りの助けなどを借りれば、結婚も出産も(それなりの覚悟は必要ですが)「なんとかなる!」と思っているし、実際に自分はなんとかなりました。

「トンチンカンな行動で破談も」膨らむ不安

 その取材の帰り道、私は彼女からの質問に自問自答するべく、結婚までの道のりを回想していました。すると、ある忘れられないエピソードが強烈によみがえってきて、電車の中でひとりで噴き出しそうになってしまいました。

 それは、夫が両親に結婚のあいさつをしに来たときの話です。このとき、まだ恋人だった彼と父さんは初めて顔を合わせました。正直、私は父さんがちゃんと彼と話すことができるのか、そもそも彼と向かいあって椅子にちゃんと座っていてくれるのか……など、ただただ不安しかありませんでした。

 もちろん彼には事前に父さんのことを詳しく話していたので、「何か起きても大丈夫!」とは言ってもらっていました。でも、実際に父さんのトンチンカンな行動を目の当たりにしたら、「結婚は無理だ」などと言われたりしないか、私の心中は穏やかではありませんでした。

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認知症介護あるある~岡崎家の場合~

岡崎杏里(おかざき・あんり)
 ライター、エッセイスト
 1975年生まれ。23歳で始まった認知症の父親の介護と、卵巣がんを患った母親の看病の日々をつづったエッセー&コミック『笑う介護。』(漫画・松本ぷりっつ、成美堂出版)や『みんなの認知症』(同)などの著書がある。2011年に結婚、13年に長男を出産。介護と育児の「ダブルケア」の毎日を送りながら、雑誌などで介護に関する記事の執筆を行う。岡崎家で日夜、生まれる面白エピソードを紹介するブログ「続・『笑う介護。』」も人気。

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日野あかね(ひの・あかね)
 漫画家
 北海道在住。2005年にステージ4の悪性リンパ腫と宣告された夫が、治療を受けて生還するまでを描いたコミックエッセー『のほほん亭主、がんになる。』(ぶんか社)を12年に出版。16年には、自宅で介護していた認知症の義母をみとった。現在は、レディースコミック『ほんとうに泣ける話』『家庭サスペンス』などでグルメ漫画を連載。看護師の資格を持ち、執筆の傍ら、グループホームで介護スタッフとして勤務している。

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