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40代から備えよう「老後のお金」 楢戸ひかる

医療・健康・介護のコラム

最後は誰もが「おひとりさま」 子どもに迷惑をかけないマネープランとは?

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 女性は男性より6歳長生き。厚生労働省が発表している「簡易生命表」によれば、2016年の女性の平均寿命は87.14年で、男性の平均寿命は80.98年でした。

 男性より長生きの上、将来、子どもと同居することは少ないであろう私たち40代女性。今は同居する家族がいても、最後は「おひとりさま」になる可能性は高いのです。

最後は誰もが「おひとりさま」 子どもに迷惑をかけないマネープランとは?

教育にお金をかけ過ぎると老後資金が足りなくなる

 最近、教育費の取材をした際、複数のファイナンシャルプランナーの方から似たような話をうかがいました。「『老後のやりくりが大変』というご家庭の相談を受けていると、今のお金がない状況を招いた原因として、教育費をかけすぎたことを挙げる方がたくさんいらっしゃいます」。一方で、ある老人施設の広報担当者は、こんなふうに言っていました。「入居する施設を子どもが選ぶと、かかる費用は、親が選んだ場合の半額になるとよく言われます。シビアな現実ですよね」

 何が言いたいのか?というと、「私たちは、端境期を生きている」ということです。少し前までは、子どもに教育を施せば、将来は親子が同居する家を経済的に支えてくれました。つまり、その教育への投資は老後保障につながったのです。でも、今は、そういう時代ではなくなりつつあります。現代の教育費と老後資金は、綱引きの関係になりました。教育費にウェートをかけすぎると、老後資金が足りなくなるのです。この現実を、頭の片隅に置いておかなければいけません。

誰もが不安 「老後」は初めての経験だから

 先日、ゆうちょ財団が助成する「にじ色あんしん老いじたく」講座に行ってきました。ゆうちょ財団は、高齢者や大規模災害の被災者、障害のある方などを対象とした金融教育への助成をしています。

 にじ色(レインボーカラー)で表現されていることは多様性。講師の行政書士・永易至文さんは、オープンリーゲイ(ゲイであることを公にすること)として、セクシュアルマイノリティー向けのライフプラン講座を開催しています。私は対象者ではありませんが、「ひとりひとりが『おひとりさま』としての自覚を持ち、自分のライフプランを『自分事』として考える上での参考にしたいのですが」とお話し、参加を認めていただきました。

 冒頭で、永易さんはこんなふうに語りました。「みんな老後は初めてです。『今回が2回目の老後です』という人はいないですよね?」。言われてみれば確かにそうです。老後という言葉を聞くだけで、何だかモヤっとした不安な気分になります。「老後が、不安でない人はいません。その不安の正体を見定め、『最低限のライン』を知っておきましょう。理想論より、現実にできることを確実に積み重ねていくことが大切です」(永易さん)

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楢戸 ひかる(ならと・ひかる)

マネーライター
 1969年生まれ。大手商社に勤務後、90年代よりマネー記事を執筆。「誰もが安心してお金のことを学ぶ場」である「お金のリビング」を主宰。その入り口として、「ザックリ家計簿」ワークショップをオンラインにて開講中。詳しくはホームページ「主婦er」で。
 お金の記事だけでなく、「家族」や「暮らし」についてもコンテンツ更新中。

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