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子どもの健康を考える「子なび」

コラム

不慮の事故(6)鉄製床で転び両手に熱傷

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 不慮の事故では、小児科医で緑園こどもクリニック(横浜市)院長の山中龍宏さんに聞きます。(聞き手・萩原隆史)

不慮の事故(6)鉄製床で転び両手に熱傷

 暑い日が続いていますね。炎天下で小さい子が外遊びをしていると、思いがけない場所でやけどすることもあります。

 事故が起きたのは、ある夏の晴れた日。正午前のことでした。よちよち歩きを始めたばかりの1歳の女児が、屋外で転びかけて両手をつきました。

 一緒にいた両親が駆け寄って抱き起こすまでは、ほほ笑ましい日常風景でした。違ったのは、手をついたのが立体駐車場の鉄製の床だったこと。女児の両手には大きな水ぶくれができ、重い熱傷と診断されました。

 当時の気温は32・7度。この温度ではやけどしませんが、鉄製品に直射日光が当たり続けると60~70度にも達します。ちょうど使用後間もないアイロンのようなものです。ただし、鉄柱や鉄柵でやけどするケースはあまりないでしょう。やけどするほど、体を強く押しつける状態にはなりにくいからです。

 危険なのは、立体駐車場の床やマンホール、側溝のふたなど。その上で転ぶと、ついた両手に体重がかかってしまうためです。特に、幼い子はすぐに立ち上がれず皮膚も薄いため、ひどいやけどを負いかねません。

 立体駐車場については、車を上下に動かす機械に子どもが挟まれる死亡事故が相次いだため、2012年に人の侵入を防ぐゲートなどを設置するよう技術基準が改定されました。ただし、やけどの恐れについての注意書きはありません。

 事故を防ぐには、炎天下での床の最高温度を測り、やけどの恐れがあれば注意書きを掲示する必要があります。もちろん、注意を呼びかけるだけでは事故はなくなりません。日よけを設けたり、日光を反射する白色塗料を塗ったり、熱くならない材質に変えたりするなど、具体策を講じることが求められます。

【略歴】
山中龍宏(やまなか・たつひろ)
 1947年、広島市生まれ。小児科医。東京大医学部卒。子どもの事故防止に取り組むNPO法人「セーフ キッズ ジャパン」(東京)理事長、消費者庁の消費者安全調査委員会専門委員。

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