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新時代の「セルフメディケーション」

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【PR】「ゆびさきセルフ測定室」で生活習慣病を早期発見

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 健康診断などで定期的に自分の体を検査し、病気リスクに早期に対処することはセルフメディケーションの重要なポイントです。今、医療機関以外でも手軽に血液検査ができるとして、薬局・ドラッグストアなどに設置された「ゆびさきセルフ測定室(検体測定室)」が注目を集めています。

 その普及・整備に取り組む筑波大学准教授・矢作直也氏に、「ゆびさきセルフ測定室」と、自分で健康を守ることの大切さについて聞きました。

全国の薬局などを中心に普及…検査の手軽さがメリット

 今は誰もが高血圧や糖尿病、高脂血症といった生活習慣病にかかりうる時代です。生活習慣病は、食生活やライフスタイルの乱れから発症するケースが比較的多く、また、初期の段階では自覚症状がないため、本人の気付かぬうちに症状が進行していくという特徴があります。そのまま放置していると、動脈硬化が進んだり、様々な臓器障害があらわれ、最終的に脳血管障害や心筋梗塞などの病気に発展する可能性もあります。

 “サイレントキラー”とも言われますが、この「無自覚なうちに病状が進行する」という点が生活習慣病の恐ろしいところです。これを防ぐためには、まず生活習慣にしっかり気を配ることが大切ですが、こまめに検査を受けて、今自分の体がどういう状態にあるのかをモニタリングすることも、とても重要になってきます。

 ある程度病状が進んだ段階で治療を始めても、思ったような治療効果が期待できない場合もあります。そうならないように、早期発見、早期治療に努めるのです。

 そのために年1回、医療機関や職場の定期健診などを受けることは最低限必要なことだと思いますが、より手軽に、いつでも検査を行えるのが「ゆびさきセルフ測定室」です。

 私はその普及・整備のための活動に、プロジェクトの立ちあげ時から関わってきました。2010年に研究の一環として取り組みを始め、2014年に国の仕組みとして「ゆびさきセルフ測定室」は正式にスタートしました。以降、その数は年々増え、現在全国の薬局・ドラッグストアなどを中心に1600か所以上で開設されています。

 医療機関とも連携しやすい薬局・ドラッグストアは、「ゆびさきセルフ測定室」の設置場所として適している上に、ロケーション的にもアクセスしやすく、予約の必要もありません。検査の所要時間は10分程度、費用も500~1000円とリーズナブルです。検査方法も簡単。専用キットで指先から血液を採取し、その専用キットをスタッフが検査装置にかけ、その場ですぐに結果がわかります。

 測定できるのは血糖値、脂質、肝機能など、生活習慣病に関わるデータです。中でも注目していただきたいのがHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)という項目。これは赤血球中の酸素運搬に関わるたんぱく質であるヘモグロビンに、どれくらい糖分が結合しているかを調べる検査ですが、微量の血液でも、かなりの精度で測ることができます。

 また、食事の影響を受けず、過去一か月ほどの平均の血糖の状態を把握できるので、通常の検査のように事前に食事を控えるなどの準備も必要ありません。

血液検査データを身近なものに

 定期的な健診を受けにくい主婦や自営業の方などに、「ゆびさきセルフ測定室」は便利に利用いただけるのではないかと思います。また、何らかのリスクが出始めた方はもちろん、数値がまだ正常なうちからの利用をおすすめしたいと思います。そして、その正常値をできる限り長く維持できるように、自分でケアしてもらいたいのです。

 また、年に1回という健診が回数として充分なのかというと、健康のためにはもう少し多いほうが役立つはずです。「ゆびさきセルフ測定室」の愛用者が今増えていて、その中には実際、定期健診とは別に予備的にこの検査を利用し、健康維持につなげている方もいらっしゃいます。

 健康かどうかを測る様々な指標の一つとして、血液検査データを位置付けることには非常に意味があると考えています。どういう食事でどれくらいの量を摂取したら、自分の体がどうなるのか、自分ではわからないものです。データを測定して数値にしてみて初めて自覚できるわけです。

 自分の体重が何kgなのかをわかっているのと同じように、自分のHbA1cの数値を身近なものとして認識している。将来的には、一人ひとりがそのような形で健康を管理することが望ましいと思っています。

 世の中に生活習慣病が増加している現状を改善するには、そういう方法しかないのではないでしょうか。発熱や体調不良などの自覚症状があらわれたときに病院に行き、処置してもらうという、感染症に対処する時のような医療の形では、生活習慣病に対応するのは困難です。医療機関だけに頼るのではなく、自分で健康をチェックして自分で対処するというように、発想を変えていく必要があるのだと思います。

健康のためだけでなく医療費の軽減にも

 「ゆびさきセルフ測定室」は病気リスクの早期発見につながるだけではありません。経済的な面でもメリットがあります。実は、私たち筑波大学の研究グループが行った分析で、通常の健康診断でのみHbA1cチェックができる場合と、それに加えて「ゆびさきセルフ測定室」でも同じ検査ができる場合を比較したとき、長期的には後者の方が、糖尿病の早期発見につながることで医療費が少なくて済むことが示唆されたのです。

 今後、「ゆびさきセルフ測定室」はもっと普及していく可能性を秘めていると思いますが、いろいろ知恵をしぼって、そのプロセスを加速していきたいですね。東京都足立区や広島県三原市など、自治体が推進を支援しているケースもありますが、もっとそうした助成がありうるかもしれません。

 また、健康向上のインセンティブが付いた生命保険の商品と絡めることも一案でしょう。ゆくゆくは、全国のどこの薬局・ドラッグストアでも検査できるというのが理想です。病気の早期予防、早期治療のために、より多くの方に「ゆびさきセルフ測定室」を利用していただきたいと思います。

◆プロフィール
矢作直也 筑波大学内分泌代謝・糖尿病内科准教授
 1969年生まれ。東京大学医学部卒業。東京大学特任准教授を経て2011年より現職。前身のプロジェクト「糖尿病診断アクセス革命」から主導的な立場で「ゆびさきセルフ測定室」の普及・整備に取り組む。現在、その運営促進や情報発信などを行う検体測定室連携協議会座長。

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