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未就学児の一律の昼寝習慣はNG?

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未就学児の一律の昼寝習慣はNG?

 日本において、在園時間の短い幼稚園では昼寝(午睡)が一般的ではない一方、保育園では日課として実施されてきた。しかし近年、昼寝が夜間睡眠に悪影響を及ぼすといった指摘や、小学校入学後の生活リズムに慣れさせる目的などから、未就学児の昼寝の在り方を見直す動きが広まっている。そこで愛媛大学病院睡眠医療センター長で同大准教授の岡靖哲氏は、宇部フロンティア大学短期大学部保育学科教授・伊藤一統氏らと共同で、幼稚園児と保育園児の睡眠習慣の違いを比較し、昼寝が夜間睡眠に悪影響を及ぼしている可能性があるとして、第32回米国睡眠学会(SLEEP 2018、ボルティモア)で報告した。

昼寝時間は保育園児が幼稚園児より長い

 岡氏らは、山口県山口市の幼稚園または保育園に在籍する4~5歳の小児328人(幼稚園159人、保育園169人)を対象に、児童青年期睡眠チェックリスト(CASC; Child and Adolescent Sleep Checklist)を用いて、就床時刻や起床時刻、睡眠時間、睡眠に関する問題などの睡眠習慣について、幼稚園児と保育園児で比較した。

 在園中または帰宅後を問わず1週間当たりの昼寝習慣を比較したところ、幼稚園児の50.9%が昼寝を全くしていなかったのに対し、保育園児の55.1%が週4日以上昼寝をしていた。また1日当たりの平均昼寝時間は、幼稚園児が15.1分、保育園児が37.2分と、保育園児で長いことが分かった。

総睡眠時間に差はないが、保育園児で悪い夜間の寝付き

 平均帰宅時刻について比較したところ、幼稚園児が15時1分、保育園児が17時41分で、保育園児の方が遅かった。平均就床時刻は、幼稚園児(平日20時56分、休日21時16分)に比べ保育園児(同21時13分、21時38分)が遅かった。

 一方、平均起床時刻は、平日は幼稚園児が7時2分、保育園児が6時52分と、保育園児の方が早かったが、休日は順に7時27分、7時20分と差はほとんどなかった。総睡眠時間(昼寝時間を含む)は、幼稚園児で平日は約30分、休日は約15分長い傾向が見られたものの、大きな差はなかった。睡眠状況については、保育園児では入眠にかかる時間が長く、就床に対する抵抗(bedtime resistance)も大きかった。

 これらの結果から、岡氏は「保育園では日常的に園児の昼寝を実施しており、幼稚園児より帰宅時刻が遅く、就床時刻は遅く、就床への抵抗も大きいという睡眠習慣の違いが示された」と結論付けた。また、「幼稚園児も保育園児も昼寝時間と夜間の睡眠時間を合わせた総睡眠時間に大きな差はなかったことから、保育園児は昼寝が夜間の睡眠に影響している可能性が示された」と指摘。さらに「昼寝が生理的に必要かどうかは、未就学児では年齢による差や個人差が大きいだろう。昼寝の必要度の違いを考慮せず、一律に習慣化させることが夜間睡眠に及ぼす影響については、さらに検討が必要」とコメントした。(あなたの健康百科編集部)

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