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[女優 有森也実さん](下)じわじわきた老眼…いつ眼鏡で出演するか悩み中 でも、本当は早く「おばあさん」を演じたい
短歌番組の司会 与謝野晶子に興味引かれ
――今年になって、短歌の番組にレギュラー出演されています。短歌はご自分でも?
少しずつですけれど。「NHK短歌」という番組にゲストで出たときに、作った短歌を取り上げてもらったのがきっかけで、今は月1回、その番組の司会もさせていただいています。
番組では読者の短歌を紹介するだけでなく、ペアを組む歌人の松村由利子さんが研究している「与謝野晶子」の作品や人生についても掘り下げています。歌人としてだけでなく、百貨店のコピーライターのような仕事もするなど、その「時代」を象徴する人物として、知れば知るほど興味深いです。
――現代の女性から見ても、共感できる部分があるのでしょうか。
私は、晶子は女性とか男性とか、そういった区別なく生きた人だと思うのです。今は電車に女性専用車ができるなど、性別がデリケートに扱われていますが、「それを晶子が見たらどう言うかな?」なんて思ったりします。
「おばあさん役」はナチュラルな自分を投影できる
――これからの女優業で、どんな経験をしたいですか。
これも45歳くらいからなのですが、「おばあさん役をやりたい」と思うようになりました。さっき、若さを維持したくないと言ったのは、そういう意味もあります。もう演じてもいい年齢だと思うのですが、先輩方がお元気なので、私が入り込む隙間はまだないようです。
おばあさん役はナチュラルでいられます。しわやたるみなんか気にすることなく、今のナチュラルな自分を、役に投影できると思うんです。そこに魅力を感じます。
もちろん、それだけではなくて、自然体でいるだけでは表現できない「深み」を要求されます。その難しさもある。
そんな両面があるおばあさん役を、自分も早くやれたらと、願っています。
ありもり・なりみ
1967年、横浜市生まれ。中学3年の時、ファッション雑誌の専属モデルに。86年、映画「キネマの天地」でブルーリボン賞新人賞、日本アカデミー賞新人俳優賞。91年には人気ドラマ「東京ラブストーリー」に出演した。現在、「NHK短歌」第3週の司会を務めている。
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