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子どもの熱中症…思春期前は汗腺未発達、集団行動で「苦しい」と言えず悪化も

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子どもの熱中症…思春期前は汗腺未発達、集団行動で「苦しい」と言えず悪化も

 日本各地で記録的な猛暑が続く中、学校での活動中に児童生徒が熱中症となるケースが相次いだ。愛知県では小学1年の男児が死亡したほか、東京都内の高校でも生徒らが体調不良を訴えて病院に搬送された。熱中症から子どもを守るため、大人たちや学校側は細心の注意が必要だ。(教育部 小田倉陽平、医療部 石塚人生)

 

地面から放射される熱の影響、受けやすく

 

 子どもは熱中症になりやすく、今年のような酷暑では、特に注意が必要だ。

 思春期前は汗を作る汗腺が発達しておらず、体温調節能力が十分ではない。体温を下げるのに必要な血液量も少ない。気温が体温を上回ると、大人より熱が体にこもりやすい。背の低い幼児は、地面から放射される熱の影響も受けやすい。

 集団行動では、自分の体調に異変を感じても「苦しい」などと言い出せず、症状が悪化してしまうケースも考えられる。東京都立小児総合医療センター救命救急科の萩原佑亮医師は「暑い環境で普段と違って元気がなく、反応が鈍ければ、ためらわずに医療機関を受診させてほしい」と話す。

 

校外活動、中止・延期の動き

 

 こうした中、栃木県佐野市や下野市では、校外学習や陸上記録会の中止や延期に踏み切った。文部科学省も、各種活動の中止などについて柔軟な対応を求める緊急通知を出した。

 冷房設備の整備も求められる。男児が死亡した愛知県豊田市では現在、市立小中学校の普通教室には扇風機しかないが、太田稔彦市長は18日、「昨今の異常気象を踏まえた熱中症対策が不十分だった」と述べ、エアコン設置計画の前倒しを検討すると表明した。

 中京大の松本孝朗教授(環境生理学)は、気温、湿度などを基に熱中症が起きる危険度を示した「暑さ指数」の学校での活用を提案する。環境省は「熱中症予防情報サイト」でこの指数を公表しており、松本教授は「指数や子どもの様子を常にチェックし、熱中症が疑われる場合はすぐに体を冷やすといった対応が必要だ」と指摘している。

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