医のねだん
医療・健康・介護のニュース・解説
歯科・医科連携 新たな負担金は?
「情報共有料」として報酬
歯周病は近年、気道に細菌が入って起きる 誤嚥 性肺炎や糖尿病、循環器疾患などの原因になったり、悪化させたりするなど、全身に影響することが分かってきました。
体調の維持や改善に歯の治療は重要です。特に患者が持病で病院に通っている場合、歯科での不適切な処置は体調を悪化させる恐れもあります。医師との連携が大切です。
今春の診療報酬(医療の公定価格)改定で、こうした患者の情報を歯科医と医師の間で共有すると「診療情報連携共有料」として、双方に3か月に1回を上限に報酬が支払われるようになりました。
まず、歯科医が医師あての持病の照会状を患者に渡します。これを患者が医師に提出すると、検査結果や処方薬などの情報が記載された文書がもらえます。この文書を歯科の受診時に提出します。初診料・再診料のほか、360円(自己負担3割)を歯科医と担当の医師に支払います。
例えば、血液を固まりにくくする薬を服用中の患者の場合、抜歯などで出血の恐れがあるため、歯科医は服薬の情報を事前に把握する必要があります。
また、糖尿病の患者は抵抗力が低下し、感染症のリスクを抱えています。歯科医も理解しておくべきです。
医師からの文書は、歯科医が適切な処置を行うための大事な情報になります。逆に歯周病を治療することで、糖尿病の改善も期待できます。
このほか、手術後の抵抗力の低下による感染症を防ぐ 口腔 ケアは、がんや心臓血管、臓器移植などの手術に加え、新たに脳卒中と人工股関節の手術も対象となりました。手術前は840円、手術後は570円(いずれも自己負担3割)になります。
日本歯科医師会の遠藤秀樹常務理事は「全身の健康管理に歯科治療の重要性は浸透してきましたが、歯科医と医師が日頃から情報交換するなど信頼関係を築いておく必要があります」と話しています。
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