教えて!ヨミドック
病気や健康の疑問に、読売新聞の医療サイトのキャラクター、ヨミドックが答えます。
医療・健康・介護のニュース・解説
「スマホ老眼」ってなに?
画面見すぎて疲れ目
Q スマートフォン(スマホ)を長い時間使い過ぎると、若い人でも老眼のような症状が出るって、本当かな?
ヨミドック 老眼の人は、目のピント調節がうまくできなくて「手元がぼやける」状態になります。個人差はありますが、早い人は40歳ごろから始まります。ところが、この頃、若い世代でも似たような症状を訴える人が出てきました。スマホやパソコンを長時間使う生活習慣が影響しているようで、「スマホ老眼」という言葉もよく聞きますね。
Q たくさんいるの?
ヨ 業界紙を発行する 眼鏡 光学出版が2016年に、眼鏡利用者1万人を対象にアンケートしたところ、10代後半~20代前半の女性の約4割が「自分はスマホ老眼だと感じる」と答えたそうです。本人の主観なので、実際にどの程度の症状があるのかはわかりませんが、気にしている人は多いようですね。
Q そもそも目のピント調節って、どうなってるの。
ヨ 目は、レンズの役割を果たす水晶体の厚みを変えることでピントを調節します。水晶体は、周囲にある毛様体という筋肉の働きで、近くを見るときに分厚くなります。
Q 一般的な老眼とスマホ老眼は全く同じなのかな。
ヨ 加齢に伴う一般的な老眼は、水晶体が硬くなることが主な原因です。スマホ老眼は、画面を長い時間じっと見つめた結果、毛様体が疲れて動きが悪くなった状態と考えられています。水晶体の柔軟性は保たれている分、回復しやすいと考えてよいでしょう。

Q それなら、気にしなくてもいいのかな。
ヨ いやいや、油断は禁物です。毛様体の疲労が重なれば、徐々に回復しなくなっていく危険性はありますからね。それに、目の疲労が重なると、頭痛や肩こりなど、体の不調につながる恐れもあります。
Q 悪化を防ぐには?
ヨ スマホは、あまり長い時間使い続けないほうがよいでしょう。至近距離でじっと見つめるのもよくないです。30~40センチ離して、ときどき画面から目線を外し、遠くを見るようにしてください。疲れ目対策として、温かいタオルを目にのせてパックするのも、目の周辺の血流改善につながるので、よいですよ。
(高橋圭史/取材協力=岡山良子・お茶の水・井上眼科クリニック院長、眼鏡光学出版)
【関連記事】