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医療・健康・介護のコラム
蚊に刺された! かゆみを抑える正しい方法は?
もうすぐ夏休み。屋外のレジャーで気をつけたいのが虫刺されです。子どもが蚊に刺された時の対処法を、兵庫医科大准教授で皮膚科医の夏秋優さんに聞きました。
蚊のかゆみ とびひ注意 [兵庫医科大准教授 夏秋優さん]
蚊に刺された後は、かゆみや腫れが出ます。これは、蚊が吸血する時、人間の皮膚に注入される唾液成分に対して起きるアレルギー反応です。
症状は個人差が大きいですが、大人は刺された直後にかゆくなり、1~2時間で治まる「即時型反応」が一般的。一方、乳幼児は刺された直後は無症状で、翌日以降にかゆみなどが現れる「遅延型反応」が多いです。
子どもは成長過程で繰り返し蚊に刺され、遅延型から即時型に移行します。小児期から青年期は両方の反応が出ることが多く、刺された直後にかゆくなっていったん治まり、翌日からまたかゆくなります。
子どもで注意したいのが、刺された場所をかき壊してしまうこと。かき傷に細菌が入り、「とびひ(伝染性 膿痂疹 )」になることがあります。とびひは菌が付いた手などを介して他の部位や他人にもうつってしまいます。
かゆみを抑えるなどして、かき壊しを防ぐことが大事。直後に出るかゆみは保冷剤などで冷やしたり、メントール成分が含まれる市販薬を使用したりするとよいでしょう。かゆい所に爪で「バツ印」をつけるのは、皮膚を傷つけることになるので避けましょう。
翌日以降のかゆみはステロイドが入ったものがよく効きます。かき壊しの予防として、ばんそうこうを貼るのも効果的です。症状がひどい時は皮膚科を受診してください。
予防策として蚊が多い場所では肌の露出を避け、イカリジンやディートといった成分を含む虫よけスプレーを活用しましょう。ただし、ディートは子どもへの使用回数制限があるので注意が必要です。
蚊の発生源対策も重要。わずかな水たまりでも蚊が育つので、家の周りのバケツや植木鉢の皿にたまった雨水は、こまめに捨ててください。
なつあき・まさる 兵庫医科大講師やカリフォルニア大サンフランシスコ校皮膚科研究員を経て、2000年から現職。虫による皮膚病が専門で、新聞やテレビなどへの出演も多い。各地で講演会も行う。
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