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新時代の「セルフメディケーション」

健康・ダイエット

【PR】健康は自分で守る習慣を 「7本柱」で意識高めよう

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 健康は自分で守ることが大切。1日24時間、週7日、そのための習慣を身につけよう――。そんな意味をこめて、7月24日は「セルフメディケーションの日」と定められています。健康寿命の延伸にもつながるセルフケアを実践するために重要なことは何か。国の取り組みの一環で、「自分で守る健康社会」の実現に向けた活動を行う東京大学教授・鄭雄一氏に話を聞きました。。

健康社会の実現へ、課題は「少子高齢化」

 東京大学センター・オブ・イノベーション(COI)「自分で守る健康社会」というプロジェクトの活動を行っています。COIは、国の取り組みの一環ですが、研究者それぞれの問題意識からはじめる従来のボトムアップ型ではなく、まず未来の社会の理想像を描き、そこから現在に立ち戻って、今何が課題なのかを考えて研究開発を行っていくという特色があります。

 健康社会のために国が一番の課題と考えているのが「少子高齢化」です。40~50年後には人口の半数近くが高齢者になり、若者が高齢者を支えるというこれまでの社会構造は立ち行かなくなります。また、日本の国民皆保険は世界に誇るすばらしい制度で、多くの方が手軽に病院を利用することができますが、その反面「病気になったら病院へ」という、少し医療に依存したような考え方が世の中に浸透してしまっているようです。誰もが自分で自分の健康を守り、高齢者も自立した社会を目指したい。みんなができるかぎり社会に貢献するということになれば、若者と高齢者の区別も意味がなくなっていくかもしれません。

 そうした社会を実現するために、私たちは「入院を外来に、外来を家庭に、家庭で健康に」という活動理念を掲げています。一言でいうと、病院への入通院をできるかぎり少なくして、家庭で健康に過ごす時間を増やしたいということです。そもそも日本人の入通院数は、先進国の中でも非常に高いレベルにあるという現実もあります。

 大切なのは、健康なときから機能の低下を防ぎ病気にならないこと、あるいは病気になったとしても重症化を「未然に防ぐ」という考え方です。わたしたちは、そのために企業や行政などとも連携し、多種多様な研究開発を行っています。一例をあげれば、困難な手術も日帰りで行えるようになる血管内視鏡、より安全に臓器内部を検査できる超音波CT、ICT(情報通信技術)を利用して家庭でも食事や運動面から糖尿病患者にアドバイスを行えるサービス、スマートフォンなどを利用して声の周波数を解析し、離れた場所にいても患者さんの病状を把握できる音声病態分析などです。

薬局を病気予防の前線基地に、OTC医薬品で手当てを

 新しい健康医療産業につながるポテンシャルも秘めた、こうした様々な研究開発が進む一方、やはり個人個人が「自分の健康は自分で守る」という意識をしっかり持つことが大切ではないかと思います。世界セルフメディケーション協会や日本OTC医薬品協会が「健康リテラシー」「検査」「運動」「食事」「禁煙」「衛生管理」「OTC医薬品」という、「健康のための7本柱」を提唱しています。健康意識を高めるための指針にもなると思いますので解説してみましょう。

 まず「健康リテラシー」ですが、誰もが健康についての知識を持つことはとても大事なことで、主体的に自分の健康を守る第一歩になります。また、健康についての教育は就学前など、できるだけ小さい頃から始めるほうがよいと思います。次に「健康診断」ですが、定期的に自分の体の状態を測定し、病気予防につなげることは非常に大切です。また、これは先の健康リテラシーの重要性にも関わってくることで、というのも、ある程度の知識がなければ、診断データを充分に理解することもできないからです。

 実は「健康診断」は日本独自のシステムで、ここで蓄積されたデータは大きな可能性を秘めています。現在このデータベースをAI(人工知能)などを用いて解析することで、3年先の健康状態まで予測することができます。その予測をもとに個人個人に合った、よりパーソナルな形での生活指導が行えれば、健康への取り組みのモチベーションも上がるはずです。

 「食事」「運動」「衛生管理」「禁煙」は、いずれも生活習慣に関わることですが、全てが大事で、どれかを疎かにして良いというものではありません。私自身は骨の研究を専門にしていますが、その立場から言っても、「食事」は健康にとっての根幹です。例えば骨の主成分であるカルシウムは食事から摂取するほかありません。摂取が不足しがちな女性はチーズなどの乳製品などから、特に意識してカルシウムを摂るようにしましょう。「運動」も重要ですが、やりすぎには注意が必要。毎日続けやすいような適度な運動を行うと良いと思います。仲間を作って一緒に行うことも有益です。お互いの健康状態について共感しあったり励ましあったりすることで習慣化しやすくなるのです。

 「衛生管理」の基本は手洗い・うがい。ともすると軽んじられがちな習慣かもしれませんが、風邪や感染症予防という点でとても効果があります。口腔内の菌が色々な病気と関連していることがわかってきました。歯磨きなどでしっかりケアを行い、口腔内を清潔に保つようにしましょう。また、さまざまな健康への悪影響が示されていますので、喫煙習慣があるひとには「禁煙」をおすすめします。

 医療への過度な依存を改めるためには、専門的なトレーニングを受け病気や薬の知識をもっている薬剤師がいる薬局・ドラッグストアを、病気予防の前線基地とする意味は大きいと思います。そして、薬局・ドラッグストアで購入できる「OTC医薬品」は種類も豊富ですので、体の不調を感じたときには、このOTC医薬品を利用して、自分で手当てすることを心がけてください。

健康から病気にかけてのグラデーション

 自分の健康を自分で守る時に大切なのが、「健康or病気」という二択の考え方をしないようにすることです。この考え方では、私たちの心身の状態を正確にとらえることはできません。例えば、がん細胞は日々私たちの体内に生まれ、同時に免疫によって殺されています。私たちの体内では、その繰り返しが絶えず行われているのです。「100%健康」という人はいなく、健康と病気の間は「グラデーション」になっている。そして大切なのは、自分が今、そのグラデーションのどこにいるのかを正しく知って、しっかり対応することではないかと思います。

 もちろん、病状がある程度悪化した時は病院に行く必要がありますが、その前段階で自分でできることはきちんと行うようにしましょう。健康は個人にメリットがあるだけではありません。健康な方が多ければ多いほど、それだけ個々人の自分の時間が増え、社会としても労働生産性の向上につながると思います。自分の健康について主体的にとらえ、しっかり健康を守る習慣を身につけましょう。

◆プロフィール
鄭雄一 東京大学センター・オブ・イノベーション(COI)「自分で守る健康社会」研究リーダー・副機構長。
 1964年生まれ。1989年東京大学医学部卒業。1997年医学博士号取得。東京大学医学部付属病院研修医、米国ハーバード大学医学部助教授、東京大学大学院医学系研究科疾患生命工学センター助教授などを経て、2007年より東京大学大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻教授。2013年より現職。2016年より東京大学大学院医学系研究科疾患生命工学センター教授を兼務。専門は骨軟骨生物学・再生医学・バイオマテリアル工学。

セルフメディケーションの日 特設サイト

(sponsered by 日本OTC医薬品協会)

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