右顎に腫瘍「ミクリッツ病」
3月に右顎下腺腫瘍摘出手術を受け、病理検査で「ミクリッツ病」と診断されました。IgG4(血中の免疫たんぱく)の数値が高く、今後、色々な病気が出るかもしれないと言われました。どうすればいいのでしょうか。(62歳女性)
ステロイドで炎症抑える
山本元久 札幌医科大学免疫・リウマチ内科講師(札幌市)
ミクリッツ病は、まぶたが腫れたり、顎の下に硬いしこりができたりする病気です。目が乾燥し、口が渇くこともあります。画像検査で涙腺と唾液腺が腫れていることがわかります。
詳しい原因はまだ不明ですが、免疫異常の関連が指摘されています。IgG4の数値が高くなるのが特徴です。
膵臓 、胆管、肺や腎臓などの臓器に同じ性質の炎症が起こることが明らかになり、現在では、まとめて「IgG4関連疾患」と呼ばれています。ミクリッツ病をIgG4関連涙腺・唾液腺炎と呼ぶこともあります。
ステロイド薬で治療します。私たちの施設では、患者の約6割で膵臓などの臓器も炎症を起こしています。
こうした場合は、内臓機能を守るためにステロイド薬による治療を強くお勧めしています。もしミクリッツ病だけで臓器の炎症がないなら、少量のステロイド薬で治療を始め、慎重に経過を観察します。
まずは総合病院の 膠原 病内科やリウマチ科を受診して、臓器に同様の炎症が起きていないかを詳しく検査してください。その結果によって治療方針が決まると思います。