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パーキンソン病とALSの遺伝子治療、来年にも治験…数年後の治療薬実用化目指す

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パーキンソン病とALSの遺伝子治療、来年にも治験…数年後の治療薬実用化目指す

 運動障害などを引き起こす難病「パーキンソン病」や、全身の筋肉が衰える難病「筋 萎縮いしゅく 性側索硬化症(ALS)」の患者に、正常な遺伝子を投与する遺伝子治療の臨床試験(治験)を、来年にも自治医科大などのチームがそれぞれ始める。1回の治療で長期間、症状改善や病気の進行を抑えられる可能性があり、数年後の治療薬の実用化を目指している。

 遺伝子治療は、人工的に作った正常な遺伝子を患者の細胞に組み入れ、病気を治療する。遺伝子を細胞に送り込む「運び役」として、安全性の高い医療用ウイルスなどが使われる。

 パーキンソン病は、脳内で運動の指令を伝える物質「ドーパミン」が十分に作れなくなり、体が震えたり動きが鈍くなったりする。治験では、複数の正常な遺伝子をウイルスに入れて作った治療薬を、患者の脳に注入する。一部の遺伝子を患者の細胞に注入する臨床研究では、目立った副作用はなく、運動障害の改善もみられたという。

 また、ALSは特定の酵素の減少が筋肉の萎縮にかかわっているとされ、治験ではこの酵素を作る遺伝子を入れた治療薬を脊髄周辺に注入。世界初の試みだが、マウスでは、病気の進行を抑える効果が確認されたという。いずれの治療薬も、チームの村松慎一・自治医科大特命教授らが設立したベンチャー「遺伝子治療研究所」(川崎市)で製造する。村松氏は「どちらの病気も遺伝子治療薬はまだなく、なるべく早く実用化したい」と話す。

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  日本遺伝子細胞治療学会理事長の金田安史・大阪大教授の話 「遺伝子治療は、1回の治療で長期的な効果が期待できる。国際競争が激しく、国内でも取り組みを強化する必要がある」

          ◇

【パーキンソン病と筋萎縮性側索硬化症(ALS)】

 パーキンソン病は50歳以降の発症が多く、国内患者数は推定約16万人。薬での治療が一般的だが、病気が進むと効きにくくなる。ALSは50~60歳代の発症が多く、国内患者数は約9500人。進行すると、歩行や呼吸が困難になる。

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