回想の現場
回想サロン
回想DVD「初めてでも気軽に使える」・・・横浜相原病院スタッフ
DVD「よみうり回想サロン昭和20年代編①」が発売され、全国の介護施設や家庭などで利用が広がっています。「『東京ブギウギ』の歌手は?』などと、戦後の著名人や話題がクイズ形式で登場。関連記事やニュース映像が紹介され、思い出を語り合うきっかけになります。
横浜相原病院(横浜市)の通所リハビリテーション施設では、5月末、高齢者向けにDVDを使ったレクリエーションが行われました。レクを担当した作業療法士の宮下征久さん(25)と、介護福祉士の大塚晶さん(48)のお二人に、レクの様子や進行で工夫した点などを聞きました。
口数少ない人も積極的に発言
――レクに参加した高齢者の様子を教えてください。
宮下さん「普段は口数が少ない方も、積極的に話しました。テレビ放送が開始されたことを伝える昭和28年(1953年)の記事が出ると、『街頭テレビを見た』『プロレスに夢中だった』などと発言し、その場も盛り上がりました」
大塚さん「心が若い頃に戻り、『話したい』という思いが湧くようです。ある男性はレク終了後、いつもは口にしない親のことを話してくれました。会話を重ね、スタッフと高齢者との信頼関係が深まれば、リハビリも格段と進みます。回想サロンのDVDは、会話の幅が広がり、高齢者の力を引き出す起爆剤になり得るのではないでしょうか」
宮下さん「世代間の対話も弾みます。若い人は、高齢者から、戦中戦後の体験に基づいた平和を尊ぶ気持ち、物を大切にする心掛けなど、今後の生き方のヒントを教わります。高齢者は、若い世代に教えることで自信を持てます。20歳代の私も、初めて見る写真や映像に興味が湧きました」
大塚さん「反応に乏しい認知症の方が昔の記事や映像に関心を示せば、『ああ、こういうことが好きだったんだ』と、ケアをするうえでの手がかりになります」
五感への刺激は大事
――レクを進行するうえで、感じたこと、工夫したことはありますか?
宮下さん「DVDは解説や構成が分かりやすく、初めて使う方も気軽に使えると思います。カラオケの機材を準備すれば、昔の気分に戻って、みんなで歌も歌えます」
大塚さん「私たちは、駄菓子など、懐かしい食べ物を用意しました。それを口にしながら会話をすると、昔の体験を思い出しやすくなります。五感への刺激は大事ですね」
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