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内潟安子さん講演「糖尿病とともに楽しく生きる!」

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 5人に1人が糖尿病の患者か予備軍と言われる中、「糖尿病とともに楽しく生きていく人生は?」のタイトルで、糖尿病が専門の東京女子医大東医療センター病院長・内潟安子さんの講演会が1日、東京・足立区のよみうりカルチャー北千住で開かれた。「親からもらった体質と強く関連する2型糖尿病と、それとはあまり関連しない1型糖尿病。この二つの糖尿病になっても血糖値を管理していけば怖いことはありません」と、病気との付き合い方をわかりやすく紹介。約50人の聴衆は熱心に耳を傾け、「糖尿病が『万病の元』といわれる意味がよくわかった」などと受け止めていた。

最初は痛くもかゆくもないが…

内潟靖子さん講演「糖尿病とともに楽しく生きる!」

講演する内潟さん

 2型糖尿病は、慢性的に徐々に血糖値が高くなっていくのですが、当初は痛くもかゆくもありません。自分ではわからないので健診が必要になります。空腹時の血糖値が126mg/dl以上や過去1~2か月の血糖値の平均を示すHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)6.5%以上などが基準です。

 症状がまったくないのに体のどこが、何が悪いのか。糖尿病は血糖値が高いこと自体よりも、慢性的に血糖値が高いために起こる血管の合併症が一番怖いのです。治らないし、元に戻りません。古くなった水道管の内部は水垢みずあかでドロドロになっていますよね。あれと同じで、血管、つまり血液が流れる管の中に水垢のような垢がたまってきて詰まったり、血管の壁を弱くしたりもろくしたりしてしまうのです。これが動脈硬化です。たまったものが他の場所に飛んで行って血管を詰まらせることもあります。また、体を守ってくれる免疫の働きも鈍くなります。

足、腎臓、目、心臓、脳血管、がん、認知症……合併症は全身に

 糖尿病の合併症は、大小の血管の障害から引き起こされます。神経に栄養を供給する血管の障害は神経の障害を招き、足裏の感覚が鈍くなって、なんとなくお餅がはりついている感じがするようになります。画びょうを踏んでも痛みが鈍い。この神経障害に足の細かい血管の障害と免疫低下による感染症が加わり、足の壊疽えそが起こります。足の一部や全体を切断せざるを得ないことがあります。

 腎臓はぐるぐると糸を巻いた手まりのように血管が巻きついた臓器です。血液から不要なものをフィルターでして尿として排出しています。糖尿病でフィルターが壊れ、一線を越えてしまうと元に戻せないので、人工透析が必要になります。

 目の血管が詰まったり、破れたりすると、網膜症や緑内障を起こします。眼科に通って検査をして早めに治療をすれば視力を守ることができます。

 糖尿病は心筋梗塞や脳梗塞も引き起こします。心筋梗塞は心臓の血管が詰まって心臓を動かす筋肉が壊死してしまう病気で、心臓を強くつかまれたような痛みを感じると言われます。ところが糖尿病が進んでいると、痛みのない無痛性心筋梗塞が起こることもあります。

 がんも合併症と言えそうです。糖尿病があると、がんになる確率は1.2倍になるので、ぜひがん検診を受けて下さい。

 認知症も同様です。認知症になる確率が上がるからです。歯周病も、糖尿病があるとなりやすいし、悪化しやすいですね。 

 糖尿病が「万病の元」と言われるゆえんがご理解いただけると思います。1型糖尿病でも2型糖尿病でも、発症する合併症は同じです。

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