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内潟安子さん講演「糖尿病とともに楽しく生きる!」

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原因は大食いだけではない 体質も影響

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約50人の聴衆が熱心に耳を傾けた

 どうして糖尿病になるのでしょうか。たくさん食べることは血糖値の上昇に関係していますが、それだけが原因ではないことがわかってきています。

 血糖値にはいくつもの臓器が関係しています。食べると膵臓(すいぞう)からインスリンというホルモンが出て、血液から糖分を取り込んでエネルギー源として脂肪をたくわえます。そのほかにも、脳や脂肪、肝臓、腸、腎臓も大きくかかわりながら血糖値を上下させています。

 糖尿病のほとんどは2型です。肥満から糖尿病になる人は多いですが、やせていても糖尿病になる人はいるし、たくさん食べていてもならない人もいます。食習慣や運動習慣とともに、親から受け継いだ体質が関係しています。しかし親が糖尿病だから自分も糖尿病になってしまうと諦めるのではなく、なりやすい体質であっても、多めに運動したり食事に気をつけたりすることで、発症を抑えられるのが糖尿病です。

 一方、1型糖尿病は、ある日突然インスリンが出なくなり、高血糖になります。若い年代での発症が多く、日本ではお子さん10万人に1人くらいです。ただし年代を問わずに発症し、太っているかどうかは関係ありません。

農耕民族の日本人は糖尿病になりやすい

 少し体質について考えてみましょう。

 人類の歴史を見ると、食べ物がいとも簡単に入手できるようになったのは、ほんのつい最近の事ですね。人類は、地球に現れてから常に飢えと闘ってきました。生きて行くには、食べ物が乏しくても、血糖値や血圧などの数値は元気に活動できるくらいの水準を維持しなくてはいけません。つまり十分に食べていなくても元気はつらつで生きていくことができる体質の人たちが、子孫を残すことができたのです。私たちはその末裔まつえいです。

 さらに農耕民族である日本人は、少し太っただけで糖尿病になりやすい体質も持っています。欧米人など狩猟民族は獲物が取れた時に食べて脂肪をたくわえておく必要があるため、インスリンをたくさん分泌できます。一方、日本人は毎日必要な栄養分だけ食べればいいので、インスリン分泌が欧米人と比べて少なく体形は細身です。少し太るだけで血糖値が上がって糖尿病になってしまうわけです。

 みなさんが子どものころを思いだしてください。お正月やお祭りのご馳走ちそうを、今は毎日のように食べることができますね。少ない食事でうまく生き残る体質を持つ私たちが、毎日ご馳走を食べるとどうなるか。5人に1人が糖尿病かその予備軍になるというわけです。

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