yomiDr.編集室より
医療・健康・介護のコラム
「見えない」「聞こえない」「話せない」を体験 障害を超えたコミュニケーションを創り出そう!
今月5日、夜の渋谷。目と口に黒マスクをした男女が互いを探り合うという、一見怪しげな光景が繰り広げられた。
ここはイベントスペース「100BANCH」。35歳未満の若い世代による新しい価値の創造を支援する目的で、2017年に設けられた空間だ。斬新なプロジェクトが種々行われているが、この日のイベントのタイトルは「未来の言語」。様々なコミュニケーション上の障害があったり、育った言語圏が違っていたりしても、互いの意思を伝え合える新しい手段はないのか。それを考えることをテーマとしている。
「言語そのものがバリアになっている」との問題意識

ワークショップでは、参加者それぞれに「みえない」「きこえない」「はなせない」を体験
冒頭、主催側から「音声や文字には大きな壁がある。手話や点字を使う人は障害者と位置づけられ、言語そのものがバリアになっているのではないか」と問題提起。点字とアルファベットやカタカナが一体となったユニバーサルな書体を考案したデザイナーの高橋鴻介さんなど、4人のプロジェクト代表者が壇上でスピーチした。
続いて行われたのがメインイベントのワークショップ。初対面の人たちがグループを作り、カードを引くと、それは「みえない」「きこえない」「はなせない」の3種類だった。黒マスクはここで登場。「みえない」を引いた人は目にマスク、「はなせない」の人は口に、「きこえない」の人には大音量が流れるイヤホンが渡された。
相手に伝わっているか不安な「きこえない」
イヤホンをすると課題が与えられた。自己紹介やしりとりなど、最初は簡単なものだが、音が聞こえないと、何かの始まりや終わりのタイミングが分からない。「はなせない」役で口にマスクをした人が、身ぶりで教えてくれるのを頼りに話し出す。しかし、相手がはっきりと態度で示してくれないと、自分の声が聞こえているか分からない。不安で自然と声が大きくなっていた。
この状況では、見えていて話せる人の役割は意外に多い。「はなせない」の人が筆談をすると自分には分かるが、「みえない」の人には伝わらない。そこを解決できるのは自分だけだと気付く。誰がどう書いたのか、そのたびに読んで伝える必要があったのだ。
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