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尿かぎ分ける「線虫」使いがん検査…実用化加速
日立製作所は4日、「線虫」と呼ばれる体長1ミリほどの生物を使ったがん検査の実用化を加速させると発表した。線虫は、がん患者の尿に含まれる微量物質をかぎ分ける性質を持っている。実用化できれば、がん検査の大幅な負担減が期待できる。
医療系のベンチャー企業「HIROTSUバイオサイエンス」(東京都)との共同実験室を、埼玉県内に開設した。HIROTSU社は、線虫が持つ「がん患者の尿には近寄り、がんではない人の尿からは離れる」という特性を用いた検査技術の研究を進めてきた。
共同実験室では、日立が開発した線虫の動きを自動で撮影・分析する装置を導入する。手作業の場合、1日に解析できる尿の検体数は3~5人分程度だったが、自動化により、100人分以上に増える。両社は、検体の解析数を大幅に増やすことで、2020年までに実用化することを目指す。