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認知症介護あるある~岡崎家の場合~

コラム

介護と育児の「ダブルケア」我が家はこうして乗り越えた!?

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漫画・日野あかね

認知症の父さん+生まれて間もないたー君

 4月9日の記事で「ヤングケアラー(若者介護者)」について書いたときにチラリと触れましたが、今回は、介護と育児など複数のケアをする「ダブルケア」な日々について書かせていただきたいと思います。

 ダブルケアは、現在、子育て中であったり、誰かを介護・看病している人であれば誰もが抱える可能性がある問題です。晩婚・晩産化で、子育てと介護が同時期に重なることが増えているとも聞きます。

 多くの場合は、子育て中に親御さんなどが突然、病気になり、介護が必要になるケースだと思います。岡崎家は逆のパターンで、要介護の父さんがいる中で、息子・たー君の育児が始まりました。

 なので、「突然、ダブルケアになって大変だった」というわけではありませんでしたが、それでも予想外のことが起こるたびに、あたふたしてばかり。それをどうやって乗り越えたのか(いや、乗り越えられていないかも!?)が、誰かの、何かの参考になればと思い、これまでのことをお話しします。「ダブルケアって、こういうことがあるのね」と頭の片隅に覚えておいていただくだけでもいいです。

想定外の事態でピンチ! 「一人じゃムリ」と痛感

 私の場合、妊娠・出産からダブルケア問題にぶち当たりました。よく「里帰り出産」という話を聞きますが、母さんには「私は父さんの介護があるから、あんたはあんたで頑張って!」と先手を打たれてしまい、実家に戻っての出産はNGとなりました。

 ところが、想定外の難産で産後の肥立ちが悪く、出産後は実家のお世話になることに……。父さんを取り急ぎショートステイにお願いして、その間だけ、母さんは私とたー君のお世話をしてくれましたが、それも2週間が限界。まだフラフラな体で乳飲み子を抱えて、不安がいっぱいの中、実家を後にしたことは今でも忘れられません(そんなこともあり、プチ産後うつになったり……)。

 母さんには、私たちがいなくなれば父さんとの介護生活が戻ってきます。たー君が生後3か月のころ、無理を重ね、疲れ果てた母さんが網膜剥離で緊急手術となり、入院を余儀なくされる事態が起きました。

 今度は私が、まだ首も座らぬたー君の育児、手術が必要になった母さんのケア、父さんの介護と、「ダブル」を通り越して、「トリプルケア」状態に。父さんは緊急事態ということで、またショートステイの施設にUターン。たー君のお世話は夫とその両親が助けてくれ、私は母さんの病院へ。まだ産後の不安定な時期でしたが、それも忘れるぐらいバタバタした日々でした。

 ですが、父さんのケアマネジャーさん、夫、夫の両親、母さんを心配して力になってくれたご近所さんに支えられ、なんとか乗り越えました。「ダブルケア」は想定外なことが起きると、一気にすべてが立ち行かなくなります。育児も介護も、一人ではやはり乗り越えられないと改めて痛感しました。

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認知症介護あるある~岡崎家の場合~

岡崎杏里(おかざき・あんり)
 ライター、エッセイスト
 1975年生まれ。23歳で始まった認知症の父親の介護と、卵巣がんを患った母親の看病の日々をつづったエッセー&コミック『笑う介護。』(漫画・松本ぷりっつ、成美堂出版)や『みんなの認知症』(同)などの著書がある。2011年に結婚、13年に長男を出産。介護と育児の「ダブルケア」の毎日を送りながら、雑誌などで介護に関する記事の執筆を行う。岡崎家で日夜、生まれる面白エピソードを紹介するブログ「続・『笑う介護。』」も人気。

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日野あかね(ひの・あかね)
 漫画家
 23歳で少女漫画誌でデビュー。現在は、生まれ育った北海道で夫と暮らす。2005年にステージ4の悪性リンパ腫と宣告された夫が、つらい治療を乗り越えて生還するまでを描いたコミックエッセー『のほほん亭主、がんになる。』(ぶんか社)を12年に出版。16年には、自宅で介護していた認知症の義母をみとった。現在は、レディースコミック『ほんとうに泣ける話』『家庭サスペンス』などでグルメ漫画を連載中。

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