すてきLIFE
医療・健康・介護のコラム
[坂田好弘さん]子どもと共に進もう
2003年、ニュージーランドで小学生にラグビーを教えたことがあります。子どもたちはボールのパスの仕方も知らず、反対方向に走ってしまう子もいて、試合は連敗続き。技術的なことをいくら口で説明しても、やって見せても、あまり理解してもらえません。
でも、子どもたちと一緒にやりながら教えたら、ぐんぐん上達し、8試合目で初勝利をあげました。大人も、子どもと共に参加する、という気持ちが大切だと知りました。
来年、日本で初めてラグビーのワールドカップ(W杯)が開かれます。ラグビーは仲間同士の助け合いや、最後までやりぬく気持ちを育む素晴らしいスポーツ。子どもたちが「ラグビーをやりたい」と思える大会にしたいと思っています。ラグビー専用グラウンドの整備も進めなくてはなりません。集会所などを併設し、子どもと地域の人がふれあえるようにしたいですね。
昨年、京都でW杯日本大会の組み合わせ抽選会の際、各国の監督を下鴨神社に招き、日本の伝統文化として 蹴鞠 を紹介したところ、とても喜んでもらえました。大会本番も、各国のファンが交流を深められる場を作ろうと、アイデアを練っています。
日本は今、少子化や人口減が社会問題になっていますが、ラグビーで地域を元気にしたい。大きなビジョンを持ってW杯を盛り上げていきます。
◇さかた・よしひろ 日本ラグビー協会副会長。全盛期にニュージーランドでプレーし、年間最優秀選手に輝いた。2012年、日本人初、世界で51人目の「ラグビーの殿堂」入り。75歳。
(岡部匡志)
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