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妊娠・育児・性の悩み
1人目よりも孤独…2人目不妊
わかっているから、聞かないで!
「2人目」が授からないときの苦悩は、1人目のときとは、また違います。
「妊活(にんかつ)」という言葉が普通に聞かれるようになって、子どものいない人に面と向かって「お子さんはまだ?」「子どもは作らないの?」と聞く人は減ってきました。「もしかしたら、この人は不妊?」という視点が備わってきたからでしょう。
でも、この配慮は、残念ながら2人目の場合にはありません。子どもがいる人を「不妊かもしれない」とは思わないからです。実際のところは、5・5組に1組は不妊治療で1人目を授かるのですが、2人目がいないのは、「まだつくらないから」と解釈され、何の悪気も遠慮もなく、こうたたみかけられます。
「きょうだいは、つくらないの?」
「一人っ子はわがままに育っちゃうわよ」
「あなたも年なのだから、急がないと…」
もちろん、言う側は良かれと思って言ってくれるわけです。でも、それは言われる本人が一番わかっていること。どうにかしたいけれど「できない」。気持ちは焦るばかりです。
1人目よりも孤立する2人目不妊
2人目不妊の人には、相談相手がいません。
不妊に詳しくない人に「2人目のために不妊治療をしている」と言えば、「じゃあ上の子も不妊治療で? おカネ、どれぐらいかかったの?」などと見当違いなところを突っ込まれます。かといって、一緒に不妊治療を頑張っていた友人たちだと「1人いるなら十分じゃない」と思われかねないので、そこでも口をつぐみます。安心して相談できるところを見つけるのも一苦労なのです。
2人目不妊は、専門クリニックにも通いづらくなります。
急な通院が何度も必要になる不妊治療で、子どもを預けてでかけて行くというのは現実的ではありません。でも、待合室では小さな子どもが羨望といらだちの的になります。大声を出したりぐずったりすれば、これ見よがしに、大きなため息がもれることも…。
保育施設やキッズルームのあるクリニックはほとんどなく、結局、子どもと一緒に廊下やビルの外などで順番を待ったりするのです。「自分だって、1人目のために通院中だった頃は、小さな子を連れてくる人を無神経だなと思っていましたから、仕方ないです」とYさんは言います。
私も2人目不妊の悩みの深さを本当の意味で知ったのは、Fineの活動を始め、たくさんの人の話を聞いてからです。
そもそも、不妊の悩みを話せる人もまだ少ないうえ、2人目不妊となるとさらに少数派になります。同じ立場の仲間を見つけるのは難しく、孤立します。これも、まぎれもなく、不妊を取り巻く課題の一つなのです。(松本亜樹子 特定非営利活動法人Fine=ファイン=代表)
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