教えて!ヨミドック
医療・健康・介護のニュース・解説
わきのにおい 予防するには?
汗をかいたらシャワー
Q 夏になって、わきのにおいが気になるよ。
ヨミドック わきにある「アポクリン腺」という器官から出る汗が原因ですね。この汗に含まれる脂質やたんぱく質などが分解されると、においを放ちます。これが「わきが」です。
Q 暑いと、その汗は増えるの?
ヨ いいえ。人間には汗を出す器官「汗腺」が2種類あり、もう一つを「エクリン腺」といいます。全身にあって、主に体温調節の役割を果たしています。夏になるとエクリン腺の汗は増え、二つの汗が混じって蒸発し、においが、より遠くまで届きやすくなると考えられます。
Q わきがが強いのは病気なの?
ヨ いいえ。体質の違いです。ヨーロッパ系の人は、8割ほどがアポクリン腺の多い体質です。でも、日本人では2割に満たない少数派です。
Q 自分の体質を知る目安は?
ヨ 耳あかがネバネバしている、あるいは、下着のわきの部分が黄色く汚れるといった人は、アポクリン腺が多い体質でしょう。
Q どうすればいいの?
ヨ まずは、汗をかいたら、こまめにシャワーを浴びて、下着を取り換えることを心がけましょう。
Q そもそも、アポクリン腺はなぜあるの?
ヨ わきがの原因になる汗は、人間に進化する前、異性を引きつけるフェロモンだったという説があります。

Q そうなの?
ヨ ガやハチから豚、馬まで幅広い生物で、フェロモンがあることが分かっています。ただ、人間は進化の過程で、フェロモンを感じる鼻の仕組みが変化しました。オーストラリアの研究チームは昨年、汗に含まれるフェロモン候補の物質に、異性を引きつける効果は確認できなかったとする研究結果を発表しました。
Q 人にフェロモンはないのかな。
ヨ 明確に特定されたものはありませんが、赤ちゃんのにおいをかぐと、母親は愛情を強く感じるようだとする研究論文もあります。フェロモンにはたくさん謎が残されています。
(竹井陽平/取材協力=五味常明・五味クリニック院長、東原和成・東京大学教授)
ヨミドックは読売新聞の医療サイト・ヨミドクターのお医者さんキャラクターです。
【関連記事】