文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

漫画家 柴門ふみさん

一病息災

[漫画家 柴門ふみさん]乳がん(3)「ファン」の声援が力

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 乳がんの宣告を受けてから約1か月後。53歳の時に左胸の腫瘍と周辺部を切除する手術を受けた。

[漫画家 柴門ふみさん]乳がん(3)「ファン」の声援が力

 無事手術を終えても、腫瘍の病理検査の結果が分かるまで気持ちは晴れなかった。結果次第でその後の治療方法が決まる。「もしがんが進行性のものだったら……」。手術の翌日、お見舞いに来てくれた長女が帰った後、一人の病室で思った。「描きたいものは描いたし、もう死んでもいいか」

 テレビを見ると、バラエティー番組だった。カラオケで、お笑いタレントのいとうあさこさんが「我ら柴門世代! イエイ!」と、ZIGGY(ジギー)の「GLORIA(グロリア)」を歌い出した。自分の漫画をドラマ化した「同・級・生」の主題歌だ。「私のことを覚えていてくれる人がいた! こういう人のために頑張ろう」。生きる気力がわいてきた。

 病理検査で、薬物治療が有効なタイプのがんだとわかった。摘出された腫瘍は4ミリで、傷痕もほとんど目立たなかった。退院して約1か月半、放射線治療を行い、5年間、薬を1日1錠服用するホルモン療法を続けた。

 ホルモン療法で1年が過ぎると、気分が落ち込んだり、冷え性がひどくなったりした。血圧が急激に下がり、友人と外食中に救急車で病院へ運ばれたこともある。つらい治療を支えたのは新しい「家族」だった。

 

  漫画家 柴門ふみさん(61)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

sokusai_117

 
 

一病息災の一覧を見る

漫画家 柴門ふみさん

最新記事