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Dr.イワケンの「感染症のリアル」

コラム

今、また、エボラの逆襲

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 皆さん、エボラ出血熱を覚えていますか? 新しいニュースが舞い込んでは去りの連続で、ちょっと前の話も遠い昔のことのように思えてしまいます。

 2014年から15年にかけて、西アフリカのリベリア、シエラレオネ、ギニアなどでエボラ出血熱が大流行しました。

いつでも日本に上陸する可能性

2014年にシエラレオネのコノで診療環境整備中に撮った一枚。傷から感染するのがこわいので、滞在中はひげをそらなかった。

 一昔前だったら、遠いアフリカの国での「伝染病」が日本と関係すると感じる人はいなかったでしょう。しかし、グローバル化した今日では、世界のどこで起きた感染症も、明日には日本に上陸しているかもしれません。たった一人の感染者がくるだけで、国内で広がっていく可能性があるのです。

 エボラ出血熱という病名には、「出血」というこわい言葉がついています。しかし、この病気で実際に出血することはほとんどありません。むしろ発熱したり、「だるい」「気持ちが悪い」といったりした、漠然とした症状が見られます。最近では「出血熱」と呼ばない専門家も増えています。

 エボラで問題なのがおう吐と下痢です。ものすごいレベルの脱水(1日10リットルとも言われます)があり、適切な治療なしでは、あっという間に命が奪われてしまいます。吐しゃ物、便、涙、血液など、ほぼあらゆる体液との接触で感染します。こうしたウイルスの伝ぱを「ヒト-ヒト感染」といいます。もっとも、感染のしやすさは、麻疹やインフルエンザに比べれば、かなり低いのです。

 こんなエボラが、当時西アフリカで猛威をふるい、 3万人近くの感染者と1万人以上の死亡者が発生 しました。「21世紀最大の感染症アウトブレイク」と表現してもよいでしょう。 

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岩田健太郎(いわた けんたろう)

神戸大学教授

1971年島根県生まれ。島根医科大学卒業。内科、感染症、漢方など国内外の専門医資格を持つ。ロンドン大学修士(感染症学)、博士(医学)。沖縄県立中部病院、ニューヨーク市セントルークス・ルーズベルト病院、同市ベスイスラエル・メディカルセンター、北京インターナショナルSOSクリニック、亀田総合病院(千葉県)を経て、2008年から現職。一般向け著書に「医学部に行きたいあなた、医学生のあなた、そしてその親が読むべき勉強の方法」(中外医学社)「感染症医が教える性の話」(ちくまプリマー新書)「ワクチンは怖くない」(光文社)「99.9%が誤用の抗生物質」(光文社新書)「食べ物のことはからだに訊け!」(ちくま新書)など。日本ソムリエ協会認定シニアワインエキスパートでもある。

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