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子どもの健康を考える「子なび」

コラム

不慮の事故(4)体挟まるすき間なくそう

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  不慮の事故では、小児科医で緑園こどもクリニック(横浜市)院長の山中龍宏さんに聞きます。(聞き手・萩原隆史)

◇ 
不慮の事故(4)体挟まるすき間なくそう

 前回に続き、ベッドに関連する窒息事故を取り上げます。

 事故は2016年5月、生後4か月の男児が寝ていた窓際のベッドで起こりました。床まである窓とベッドの間(約30センチ)に積み上げられていたのは、クッションやぬいぐるみ。ベッドから落ちてもけがをしないように、との工夫です。

 男児はその中に上半身が埋もれる形で落ち込んでしまったのです。心肺停止状態で発見され、入院18日目に亡くなりました。

 ほかにも、転落を防ぐために毛布をベッド脇に積み重ねていた家庭で、同様の事故が起きています。生後6か月の男児は発見時、毛布の山とベッドのすき間にはまり込んでいました。意識がほとんどない危険な状態でしたが、このケースでは1週間後に無事退院できました。

 これら二つの事故では、転落による外傷はなかったものの、窒息という深刻な状況に陥りました。私のクリニックにも、ベッドから落ちた子がしょっちゅう訪れますが、低いベッドなら大事に至らない場合がほとんど。まずは、子どもが寝る場所から、体が挟まれるようなすき間をなくすことこそ重要です。

 今回紹介した事例を含め、子どもの事故の多くは親が直接目撃しておらず、当時の状況で分からないことはたくさんあります。だからこそ、分かる範囲できちんと記録を残しておくことが大切だと考えています。

 事故報告を受けた後、主治医から状況を何度も聞き取り、子どもの頭囲やベッドの高さ、体が挟まったすき間などの計測を依頼しました。詳しい記録を残しておかないと、今後の対策にはつながりません。記録の積み重ねが今後の事故防止に生きる、と信じて取り組んでいます。

【略歴】
山中龍宏(やまなか・たつひろ)
 1947年、広島市生まれ。小児科医。東京大医学部卒。子どもの事故防止に取り組むNPO法人「セーフ キッズ ジャパン」(東京)理事長、消費者庁の消費者安全調査委員会専門委員。

 

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