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体が不自由な人の服薬支援…薬の取り出しを楽に

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体が不自由な人の服薬支援…薬の取り出しを楽に
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 関節リウマチなどの持病を抱える静岡県の男性(70)は、手の骨が変形して指先に力が入らない。以前は処方された薬をパッケージから取り出すのに苦労していたが、現在は取り出しを楽にする便利な道具を使い、「生活に欠かせない」と話す。体が不自由な高齢者の服薬を手助けする工夫を紹介する。(高橋圭史)

          ◇

 近年、複数の持病を抱える高齢者が、多すぎる薬を飲んで体調を崩す問題が注目されている。

 その一方、「体が不自由な独居高齢者らが、必要な薬をきちんと飲めていない問題も見逃せない。薬を飲めないために病状が悪化し、薬の処方量が増える悪循環に陥ってしまう恐れもある」と昭和大薬学部教授、倉田なおみさんは指摘する。

 しびれや震えで手や指が十分に動かせない高齢者は多い。脳卒中の後遺症で片手が不自由な人もいる。こうした人が一人で薬を開封するのは難しい。入院中は看護師が手伝うので表面化しにくいが、自宅に戻ってから苦労する例がある。失敗して薬をこぼしたり、手間取るストレスで薬を飲まなくなったり……。肩が上がらないために目薬を差せない人もいるという。

市販品を活用

 このような患者の服薬を支援する方法を、倉田さんらは考えてきた。簡単に手に入る日用品を利用して作ったり、市販の便利グッズを活用したりする方法など、アイデアを紹介する。

 〈1〉電動レターオープナー

 本来は封筒を開けるために使う市販品だが、粉薬などの袋も封筒のように差し入れれば開けやすい。

 〈2〉厚紙で作るスタンド

 片手が不自由なものの、はさみは持てる人向け。厚紙を2枚合わせてテープなどでとめて、粉薬などの袋を立てられる台を作ると切りやすくなる。

 〈3〉錠剤取り出し補助具

 錠剤専用の便利グッズ。ホチキスのような形で所定の位置に錠剤シートをセットできれば、上から押すだけで錠剤が取り出せる。通販で1000円前後。

 〈4〉歯磨き粉の絞り出し器

 チューブの塗り薬を絞り出すときに活用する。ハンドル部分に割り箸などが差し込めるタイプなら、テコの原理で動かしやすい。

 〈5〉割り箸と消しゴムなどで作る点眼補助具

 目薬の容器の幅に合わせて消しゴムを切り、二つの割り箸で挟んで輪ゴムを巻いてとめる。二つの割り箸の間に容器をセットし、握って1滴ずつ落とす。腕が高く上がらない人でも目薬が差しやすくなる。

 倉田さんは「工作するものは周囲の手助けが必要だが、一度作れば服薬の手間が軽減できます」と話す。

必ず水と一緒に

 高齢者の服薬では、のみ込む力の低下も問題になりやすい。まれに錠剤がのど、食道に張り付いて潰瘍になるケースもあるという。

 倉田さんは「薬は必ず水と一緒に飲む。のみ込む力が弱い人は、市販のトロミ水やゼリー剤を使うのもよいでしょう」と話す。

 一方、「介護する人が錠剤を粉々に砕いて、食事などに混ぜて飲ませるのは避けるべきだ」という。〈1〉苦みが強くなるため、食事拒否につながる〈2〉体内でゆっくり作用するようにコーティングされた薬の場合、効き目が変わる――などの危険があるという。

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