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ママの不安 1か所で対応 各地に「包括支援センター」

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 妊娠出産・子育て期の女性は、不安が高まったり、孤独を感じたりしがちだ。切れ目のない支援を行う「子育て世代包括支援センター」の整備が、各地で進んでいる。安心して育児ができる体制を整えることで、児童虐待の予防や早期発見にもつながることが期待されている。(堀家路代)

情報を提供専門家が連携

 「今日はちょっと眠そうかな」

 大分県臼杵市にある市子ども・子育て総合支援センター「ちあぽーと」で、保育士の浦辺真里さん(32)が、親子連れに声をかけた。0歳と2歳の子ども2人を連れて遊びに来た大村由理さん(30)だ。笑顔で世間話をしながら、子どもたちの近況も尋ねる。

 ちあぽーとには、滑り台などの遊具や絵本を備えた「あそびのひろば」と、飲食スペース、授乳室があり、親子が気軽に立ち寄ることができる。常駐する保育士らが子育てに関する情報を提供し、必要に応じて専門家につなぐ。

 大村さんは「ミルクが足りているか心配と話すと、すぐ保健師さんを連れてきてくれた。栄養士さんにアレルギー対応レシピを教わったり、一時保育を紹介してもらったり。ここに来れば何でも相談できます」と話す。

 同市では2016年、児童福祉の担当部署と、母子保健の担当部署を統合して「子ども子育て課」を創設。旧法務局の建物を改装し、拠点となるちあぽーとを開設した。< cheerチア (応援する)>と< portポート (港)>を合わせた言葉で、船が寄港するように親が立ち寄る場所をイメージした。

 スタッフには保健師や看護師、臨床心理士、家庭児童相談員、母子父子自立支援員などもいる。母子健康手帳の交付や児童手当の支給、保育所入所といった行政手続きから、子どもの発達や健康、家計、就学援助など、幅広い相談に応じている。

 保健師が妊婦と面接した際に作るカルテをはじめ、新生児訪問や乳幼児健診などの記録をまとめたカード、毎月1回のミーティングなどを通じて、配慮を要する家庭の情報を共有し、連携して支援している。

 相談件数は16年度の3728件から17年度は5643件に増えた。センター所長で子ども子育て課長の尾本浩さんは「1か所ですべてをカバーできる『ワンストップ』にして相談しやすい環境を整え、職員の連携も強化した。子どもを安心して産み育てられる臼杵市をアピールしたい」と話す。

20年度までに全市町村で設置目指す

 子育て世代包括支援センターは、国が2014年度にモデル事業を行ったのをきっかけに広がり始めた。17年4月に施行された改正母子保健法で、設置が市町村の努力義務として位置づけられた。20年度末までに全市町村での設置を目指している。

 福岡市は17年7月、7区全ての保健福祉センターに設置。それまで産婦人科で交付していた母子健康手帳をセンターでの交付に切り替え、妊婦とも面談するなど窓口機能を強化した。

 熊本県玉東町は15年5月、町保健センターに併設した。妊娠期から保健師が家庭を訪問したり、出産して退院したばかりの産婦が必要に応じて助産院などに宿泊できるようにしたりして、産前産後の支援に力を入れる。担当者は「妊娠中から積極的に関わり、困ったときにSOSが出しやすい関係づくりに努める」と説明する。

 山口県光市は15年4月、市総合福祉センター内に「市子ども相談センターきゅっと」を開設。児童虐待に対応する家庭児童相談室の機能も備え、状況に応じて児童福祉司や社会福祉士らが相談に応じる。

 佐賀県みやき町は、15年10月に2か所を開設。うち1か所は町内のNPO法人が運営する「産前・産後サポートステーション」で、産後デイサービスや育児相談などの事業を委託している。

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