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睡眠を考える(上)日誌つけリズム把握

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睡眠を考える(上)日誌つけリズム把握

毎日つけている睡眠日誌を手にする女性

 これからの季節、蒸し暑くて寝苦しい日が増えそうだ。睡眠が不足すると、生活習慣病やうつ病などのリスクを高め、仕事や家事の効率も下がってしまう。心身の健康のため、日々の睡眠を見直してみたい。

 「イライラせずに、快く眠れる自信がつきました」。北九州市の女性(80)は、毎日つけている「睡眠日誌」を手に、そう言ってほほ笑んだ。

 3月頃に気分が落ち込んでなかなか寝付けなくなり、同市の「有吉祐睡眠クリニック」を受診した。「睡眠薬は使いたくない」と希望を伝えると、勧められたのが「認知行動療法」だった。

 日々の行動や考え方を変えることで不眠の改善を目指す治療法だ。臨床心理士の 槌井つちい 真祐美さんから、「眠くなってから布団に入る」「毎朝決まった時間に起きる」などの基礎知識を教わり、睡眠日誌をつけ始めた。1日の時間軸が書かれ、布団に入った時間や入眠時間、起床時間などを記録できるようになっている。

 「トータルで睡眠は取れているので大丈夫」と励まされ、眠れなくてもあまり気にしないようにしていると、次第に楽に寝付けるようになってきた。約4か月にわたる日誌を見ると、布団に入ってから寝付くまでの時間が短くなり、睡眠リズムが整ってきたのが分かる。「これを見ると、良い睡眠を得るために努力してよかったと思います。心が軽く、体調も良くなりました」と女性は話す。

 睡眠日誌は同クリニックのホームページからダウンロードできる。「自分の睡眠の状況を客観的に把握するためのツールです」と槌井さん。就寝・起床時間がずれて朝起きるのが難しくなる「リズム障害」などの治療でも用いられるそうだ。

 院長の有吉祐さん(57)は、「眠くないのに寝ようとすると、『布団に入っても眠れない』という状態が固定化して、不眠につながりがち。眠れない時は少し寝室から離れてみるなどして、『布団に入ったら眠る』という条件反射を大切にしたいですね」と話す。

<睡眠を見直すコツ>

  • 睡眠日誌をつけ、眠りの状況を確認。スマートフォンの睡眠アプリなどもある
  • 眠れない時は、あえて昼寝をせず、遅寝早起きをしてみよう
  • 快適な室温や寝具などの環境づくりも大切
  • 日常生活に支障があるときは受診を

(有吉さんの話による)

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