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伊藤清世の「あれ?コレ 介護食 plus」

[ きょうの健康レシピ ]

健康・ダイエット・エクササイズ

肉団子でロールキャベツ風

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 こんにちは、在宅訪問管理栄養士の伊藤清世です。

 今回は、市販の肉団子を使用したレシピです。

 たんぱく源として大切なお肉。けれど生の肉を調理するのは、時間がなくて難しいという場合には、冷凍や冷蔵で販売されている「味付きではない肉団子」をお勧めすることがあります。

 特にグループホームや小規模多機能施設では、専属の調理スタッフがいるわけではないので、時間がない中で調理を行わなければなりません。その際、1人分の軟らか食メニューを作る時などに、肉団子を使用した調理は手軽で便利です。

 これは、とある施設の方からの「肉団子は使いやすくて便利。けれど形が一定なので、たまには違った形で何かできないか」という質問から考えたレシピです。

 温めた肉団子をスプーンで潰してみると、意外にもバラバラになりにくいものです。肉団子の原材料を見ると、たくさんの「つなぎ」が入っている効果によるものです。例えば、生のひき肉をいためて、そぼろにした時には、ひき肉の一つ一つがバラバラになりますが、肉団子を手で潰してほぐしてみると、あまりばらけないことがわかります。

 その肉団子に卵豆腐を加えて混ぜることで、スプーンですくえるほど、ふっくら、しっとりとした肉種が簡単にできあがります。今回はこの肉種と、軟らかくゆでたキャベツを合わせてロールキャベツのようにしましたが、ふわふわのスクランブルエッグをのせればオムレツ風にもなります。

 介護食作りを楽にするアイテムに「重曹」と「とろみ剤」があります。

 今回のレシピでは野菜を軟らかくするために「重曹」を、まとめるために「とろみ剤」をそれぞれ使用しています。

 キャベツなどの葉物野菜は時間をかけてゆでれば軟らかくなりますが、重曹水(1リットルの水に対して重曹を大さじ1弱)でゆでると短時間で驚くほど軟らかくなります。その際のポイントは以下になります。

・野菜の繊維を断つ切り方にする

・ゆであがった後、水にさらす際には、弱めの流水で水さらしする(水流が強いと野菜が崩れることがあるため)。

 ちょっとしたコツとアイデアで、介護食作りは楽しく簡単に仕上げることができます。

 ※とろみ剤の調理への使用方法は次回にお伝えします。

[作り方]

(1) キャベツは芯を除いて千切りにする(市販のカット野菜でも可)。鍋に重曹水を沸騰させ、キャベツを1分程度ゆでて、水に取り、水気を絞る。とろみ材とキャベツを混ぜ合わせる。

(2) 肉団子を鍋や電子レンジで温め、卵豆腐とともにポリ袋などに入れて、粒がなくなるまでもみ込む。

(3) ラップを敷き、(1)のキャベツの1/2量を広げ、その上に(2)の肉団子の種の1/2量をのせる。ノリ巻きの要領で巻き、棒状にする。同様にもう1本作る。

(4) (A)のコンソメと水を火にかけて、よく溶かす。コンソメが溶けたら、とろみ剤でとろみをつける。

(5) 皿に(4)のスープを敷き、(3)のロールキャベツを置き、好みでケチャップをかける。

 ※キャベツで包むのが難しい場合は、肉種の上にのせるだけでもロールキャベツのようになります。

 ※かむ力、のみ込む力には個人差があります。食べる機能を確認しましょう。

 (レシピ作成 在宅訪問管理栄養士 伊藤清世)

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伊藤清世(いとう きよ)

在宅訪問管理栄養士・介護食アドバイザー
委託給食会社で病院・高齢者施設・保育所等の調理業務、総合病院の管理栄養士を経て、現在は仙台市の「ないとうクリニック複合サービスセンター」で在宅訪問管理栄養士として活動中。また、地域での講演活動を通じ、かむ、のみ込む力が低下した方にも喜ばれる、食べやすくおいしい食事作りを提案している。

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