認知症介護あるある~岡崎家の場合~
医療・健康・介護のコラム
「オレは認知症なのか?」偶然知った病名に衝撃
読んでも忘れる…不安で新聞が手放せない
元気だったころから父さんは「これも仕事だ!」と、情報収集のために毎朝、新聞をじっくり読む習慣がありました。ですが、脳血管性認知症との診断を受けた後の生活で、その「新聞をじっくり読む」行為があまりに過ぎていた時期があったのです。
朝刊は、届いてから夕刊が来るまで、夕刊は、来てから寝るまで、時間があれば読んでいる……というより、ペラペラとめくり続けているのです。
自分の身支度などもそっちのけで新聞を読み続けています。その行為にイラッとした私は、「なんでそんなに新聞ばかり読んでいるの?」と、父さんに聞いてみました。すると「読んだはずのところを忘れてしまう。それが不安だから読み続けているんだ」という答えが返ってきました。
初めて聞いた父さんの心の声
私は、父さんには自分が「認知症」だという認識はないと思っていたので、この返答にすごく驚かされました。でも父さんは父さんなりに、自分でも違和感を抱き、それを打ち消すために新聞を読み続けていたのです。こちらがイラッとする謎の行動にもちゃんと意味がありました。そして、自分の気持ちをあまり言うことのない父さんの、認知症になってからの心の声を初めて聞いたように思ったのです。
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